凜/首都高速道路会社東京西局・佐野優里奈さん、一目置かれる存在に

生まれ育った茨城県で東日本大震災を経験した。被災したインフラの復旧に当たった作業員の姿がかっこよく見え、建設業界に興味を持った。建物の間を縫うように走る首都高速道路は、他の高速道路と違って保全工事などで多くの制約を受けやすい。だからこそ「やりがいのある仕事」と笑顔で語る。
震災時に道路や電気などが迅速に復旧されていく様子を目の当たりにし、インフラを管理する仕事に引かれた。大学では材料工学を専攻。「日本の大動脈であり、橋梁など複雑な構造物が多い首都高で仕事してみたい」と強く感じ、2021年4月に入社した。
東京東局で詳細設計の図面確認などに携わった後、配属されたのが現在の職場だ。保全工事の受注企業が正しく許認可手続きを行っているかチェックしたり、施工管理をしたりするのが主な業務。特に気を使うのが関係機関との調整で、「1日で終えられる工事でも警察や道路管理者との協議は欠かせない」。スペースの狭い道路上で安全に作業できるようにサポートするのも「大事な仕事」と気を引き締める。
最初は慣れない現場作業も丁寧な対話を心掛けて仕事に臨んだ。今では「佐野さんに担当してもらえて良かった」と声を掛けられるように。将来は「社内でも一目を置かれる存在になりたい」と展望する。まずは女性社員で数少ない技術士資格の取得を目指す。
首都高速道路会社東京西局第二保全工事事務所(さの・ゆりな)

© 日刊建設工業新聞社