東京都町田市/町田市周辺開発計画案を公表、4地区に分け機能更新

東京都町田市は15日、「町田駅周辺開発推進計画」の案を公表した。案は小田急電鉄小田原線・JR横浜線町田駅の周辺を4地区に区分。地区ごとに交通ターミナルの整備やエンターテインメント機能の導入、居住環境の整備などに取り組み、各地区をペデストリアンデッキで結ぶ内容となっている。計画は意見募集を経て6月に策定。以降は関係者で構成する協議会を立ち上げて事業化を目指す。
同駅周辺は1970年代以降大型商業ビルの立地が相次いだ。現在は各ビルの老朽化が進行。滞留空間も不足し、来街者が休憩できる公共スペースがほとんどない。こうした中で多摩都市モノレールの延伸が現実味を帯び、都市機能の更新が必要になっている。
案は周辺地域を▽JR駅北側の商業施設「東急ツインズ」などを含むA地区▽小田急駅北口周辺のB地区▽小田急駅西口の商業施設「町田パリオ」などを含むC地区▽小田急駅・JR駅の西側で団地「森野住宅」などを含むD地区-の四つに分けた。
A地区にはモノレール新駅ができる予定。今後は広域に散らばるバスの乗降場も集めた、新たな交通ターミナルの整備を目指す。B地区は駐車場になっている大規模敷地もあり利用度が低い。シネマコンプレックスのような魅力的なコンテンツを提供するエンタメ施設を誘導していく。
C地区の町田パリオは1975年、隣接する西友町田店も72年の竣工で老朽化が進む。同地区では演劇やミュージカルが上演できるライブホールや、アートギャラリーなどの誘致を目指す。D地区で市は、森野住宅を建て替えて居住機能を更新するため関係者と調整中。このほか同地区では、音楽やスポーツといった催事機能を導入する構想を示した。
各地区を結ぶペデストリアンデッキは2024年度に概略設計に取り組む。同年度は市や交通事業者、各地区の代表者などで構成する「(仮称)開発推進連絡協議会」も設置。整備内容や事業スキームの検討に着手する。

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