中部整備局木曽川下流河川/仮想空間で土のう設置訓練実施、高潮想定し実環境を再現

中部地方整備局木曽川下流河川事務所は14日、仮想空間を利用した大型土のうの設置訓練を実施した。伊勢湾台風規模の高潮発生を想定し、仮想空間上で国道1号を通行止めにして木曽川に架かる尾張大橋で大型土のうの設置・撤去など一連の緊急対策作業を行った。訓練には木曽三川下流部緊急対策検討会のメンバーが参加。通行止めや架空線に近い場所での作業など注意点や課題などを洗い出した。ウェブも含め20人以上が参加した。
海抜ゼロメートル地帯が広がる木曽三川下流部には、木曽川を渡河する尾張大橋、長良川と揖斐川を渡河する伊勢大橋がある。2橋とも両岸の現況堤防高は、高潮に対する必要堤防高より低いため、高潮発生の可能性がある場合は河川管理者と道路管理者、水防管理者が協議して橋の両岸に大型土のうを設置し越水を防ぐ必要がある。
実際に訓練するには、交通量の多い国道1号を通行止めにする必要があるが、現実的には難しい。このため、尾張大橋周辺を忠実に再現した仮想空間上でタイムラインに沿って作業を実施。同事務所3階の災害対策室で、仮想空間の画面を見ながらコントローラーで重機を操作し実環境に近い形で大型土のうの設置作業などを行った。課題の洗い出しについては今後、参加者に対しアンケートを実施して把握する。
訓練参加者は次の通り。 ▽弥富市(愛知県)▽桑名市(三重県)▽木曽岬町(同)▽桑名建設事務所(同)▽桑名警察署(同)▽大垣土木事務所(岐阜県)▽中部整備局名古屋国道事務所▽同三重河川国道事務所▽同木曽川下流河川事務所。

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