中国発メキシコ行きの貨物量が激増、原因は米国の対中関税回避か―華字メディア

15日、シンガポール華字メディアの聯合早報は中国からメキシコへの貨物輸出量が激増していると伝えた。写真はメキシコ国旗。

2024年3月15日、シンガポール華字メディアの聯合早報は貨物の物流運送情報を分析するノルウェーの企業「Xeneta(ゼネタ)」のデータを引用し、中国からメキシコへの貨物輸出量が激増していると伝えた。

記事によると、ゼネタは14日、中国発メキシコ行きのコンテナ輸出量が今年1月から60%も増加していると伝えた。また、同社のチーフアナリスト、ピーター・サンド氏は、中国メキシコ間の貨物増加の原因について、「メキシコで中国製品の需要が高まっているからではなく、米国の対中関税を避けるためだ。貨物の大部分はトラックで米国へ運送される可能性が高い」と指摘した。

近年、メキシコに進出する中国企業は増加しており、過去6年(17~22年)で中国の対メキシコ直接投資額は累積で2億4400万ドル(約363億円)に上り、それ以前の6年間から3.5倍も増えた。メキシコは米国と貿易協定を結んでおり、メキシコに生産拠点を設立し、部品調達を北米地域内で一定程度行うなどの条件を満たすと、米国に輸出する際の関税をゼロにすることが可能だという。サンド氏は「仮に中国発メキシコ行きの貨物量が今年1月のように増加し続けるとしたら、31年には中国発米国西海岸行きのコンテナ量を超えるだろう」と述べた。

記事は最後に、米商務省が2月に発表した22~23年のデータを紹介し、米国のメキシコからの輸入額は5%増の4750億ドル(約70兆6443億円)に上り、中国からの輸入額は20%減の4270億ドル(約63兆5055億円)となり、米国の輸入先として直近20年で初めてメキシコが中国を抜き、首位に立ったことを伝えた。(翻訳・編集/原邦之)

© 株式会社 Record China