東日本大震災の教訓、能登の復興で生かして 盛岡で防災シンポ

「東日本大震災の教訓を能登半島地震の復興に生かすべきだ」と訴える斎藤徳美名誉教授

 岩手大の斎藤徳美名誉教授(地域防災学)は16日、盛岡市大通のクロステラス盛岡で開かれた防災シンポジウムで講演した。東日本大震災の教訓を能登半島地震の復興に生かす重要性を説いた。

 能登半島地震で大きな被害が出た要因について▽半島という地形▽道路寸断による集落孤立▽元日の夕方で危機管理体制が脆弱(ぜいじゃく)-などと分析。発生直後の被害情報が政府に十分届かなかったとして「自衛隊に緊急出動を要請して現地の状況を把握すべきだった」と初動の遅れを指摘した。

 東日本大震災の被災地ではハード事業が進む一方、なりわいの再生は道半ばとし「震災復興は地方創生と表裏一体。震災の教訓を能登でも生かせるかが今後の復興の鍵を握る」と語った。

© 株式会社岩手日報社