夜間学級の8人、夢抱き卒業 進学や就職、新たな一歩 茨城・常総の水海道中

在校生や保護者に見送られる卒業生=常総市小山戸町

茨城県常総市立水海道中(同市小山戸町、青木昇校長)の夜間学級から2期生8人が卒業した。このうち7人は外国籍。中学校で学んだ経験を基に社会で活躍する夢を抱いた生徒らは、進学や就職といった新たな一歩を踏み出した。

同学級は2020年に設置された県内唯一の公立夜間学級。日本で暮らす外国人などが通っており、昼間の中学校と同様に国語、数学などの5教科や音楽といった技能教科を学ぶ。

卒業式は11日夜に行われ、日本を含めパキスタンやベトナム、ブラジルなど6カ国の生徒が卒業した。

日本国籍の今西秋恵さん(25)は、母親がブラジル人の家系で、中学校はブラジル人学校に通っていたという。日本の学校で改めて学び、卒業資格を得ようと入学した。

今西さんは「日本語の応用や手紙の正式な書き方など今後に生かせることを学べた」と、これまでを振り返った。4月からは、学校で通訳などを行う同市の「外国人児童生徒支援員」として働く予定。学んだことを生かし「日本に初めて来る人や、まだ慣れていない人の手助けをしたい」と意気込んだ。

パキスタン国籍のビラル・ハズラットさん(19)の将来の夢は、日本で自分の会社を立ち上げることだ。卒業後は県立石下紫峰高(同市新石下)に進学する予定という。「高校でも勉強を頑張りたい。特にコミュニケーションやビジネスに関する授業が楽しみ」と語った。

青木校長が卒業証書を一人一人に手渡し、在校生や昼間部の生徒からも祝福の言葉が贈られた。青木校長は式辞で「新しい出会いが生活をより豊かにしてくれる。夜間学級での出会い、これからの出会いを大切にしてほしい」と述べ、8人を送り出した。

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