多様な支援の輪とつながり「充実人生を」 発達障害関わる有識者が講演、特性や症状も説明

発達障害がテーマの小谷さんの話に聞き入る受講者(京都府向日市・来迎寺)

 講演会「発達でこぼこの子どもたちの居場所や教育を考える」が、京都府向日市の来迎寺で開かれた。京都教育大学教授で小児科医の小谷裕実さん(61)が発達障害と支援について語り、受講者ら約30人が聞き入った。

 京都府の乙訓地域で子どもや若者の居場所づくりに取り組む「みんなの居場所 かむはぴ」と「つながろカフェ 学校に行きづらい子どもの親の会」の主催。

 小谷さんは小児科医の視点から▽子どもの欠席や授業中での気になる様子▽生活で求められる認知や運動などの技術▽発達障害に伴う多様な行動の特性▽不安定な情緒や問題行動▽思春期前後から表面化する多彩な症状-などを説明した。

 その上で「青年期以降は自己と周囲の障害に対する理解が大切。自分の問題に気づき、専門職や支援者にアドバイスをしてもらうことが必要だ」と指摘した。

 最後に「支援は親から始まるが、その後は福祉や地域、教育、医療、保健、労働の支援の輪とつながって、社会で充実した人生を送ってほしい。それが私たち支援者の望みです」と力強く話した。

© 株式会社京都新聞社