イオンシネマ騒動、車いすアイドルが思い告白「選択肢少ない」「業務以上の対応」最強の言葉も提示

アイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともかが16、17日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、車いすユーザーとしての思いを示した。ある車いすユーザーが映画館を利用した際に、従業員から今後は別の劇場を利用するように諭されたと15日に投稿。これをきっかけに16日には、映画館チェーン「イオンシネマ」が「不適切な対応」を謝罪した。その後もネット上ではさまざまな賛否の意見が飛び交っている。

猪狩は西武ライオンズの大ファンで、球場で野球を観戦することも多い。16日の投稿では「映画館だけじゃなくて野球場とかライブ会場とかも、車椅子ユーザーの選択肢って本当に少ないんですよね…。」としみじみ。「今回のイオンシネマの件、どっちが悪い悪くないとかは一旦置いておいて、そういった現実も知ってもらえたら嬉しいです。」とコメントした。

17日には「個人的に、今回の映画館の件は“通常業務以上の対応を求めたこと”“社名・店舗名を出したこと”に対し、批判的な意見が寄せられているのかなと思います。」と騒動について冷静に分析。「世の中にある様々な企業が、障害者への手助けを業務の範囲を超えて個々の判断でやってくださっています。」と企業や従業員らのフォローがあることも明示した。過去に、見たい舞台を上演していた劇場に問い合わせをした際に「階段があるけど、手伝うので安心して来てください。」と伝えられた経験も明かし「手助けしてもらって当たり前ではなく、常に感謝の気持ちを持っています。そこに優しさや思いやりが生まれて素敵な世界が広がっていくと信じています。」と親切や感謝の大切さを前向きにつづった。

「より一層バリアフリー化が広がり、今後身体の不自由な人が他人の手を借りることなく、自己完結で色々な場所に行けたらそれも素敵な世界なんじゃないかなと思います。」と理想を告白。騒動がネガティブに捉えられるのではなく、「考えるきっかけ」になることを望んだ。

続けて【障害者として感謝の気持ちについての考え方】も投稿。「感謝の気持ちを強要している」「普通の体験をしているだけなのに感謝の気持ちが必要なのか?」という意見をぶつけられた経験を明かした上で「感謝ってそんな理屈で考えるものなのでしょうか?」と疑問符。「『ありがとう』って言った方も言われた方も気持ち良くなれる無敵な言葉だと思うんです。理由や理屈なんて必要ありません。ただただ気持ちの良い言葉として発してます。」と説明した。

(よろず~ニュース編集部)

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