還付金をもらわないのはもったいない!確定申告のすすめ

確定申告とは、1年間の所得に対する納税額を計算して申告する手続きのこと。

確定申告をすることで還付金を受け取れる場合があります。

しかしなかには「還付金をもらえるなんて知らなかった」という人もいるのではないでしょうか。

本記事では確定申告における還付金の概要を解説するとともに、「自分の場合はいくら還付されるのか」が分かるシミュレーションサイトを紹介。

また確定申告の基本的な手続きについてもおさらいしていきましょう。

確定申告で還付金がもらえるケースとは

確定申告をすると、払いすぎた税金が「還付金」として手元に戻ってきます。

還付金が戻ってくる主なケースは以下の通りです。

確定した所得税額が、納めた源泉徴収税額より少ない場合

所得税額は確定申告によって決まります。

しかし申告した所得税額が、その年度にすでに納めた源泉徴収税よりも少なければ、「税金を納めすぎていた」として差額が還付されます。

確定した所得税額が、予定納税額よりも少ない場合

予定納税とは、5月15日時点で確定した納税額が15万円以上の場合に、前もって納税する仕組みのことです。

基本的には、前年度の所属税額が予定納税の基準となります。

支払い済みの納税額より確定した所属税額が少なければ、その差額が支払われます。

所得控除や税額控除を申告した場合

所得控除も税額控除も、確定した所得税額から一定の額を差し引くことです。

以下でそれぞれを詳しく見ていきましょう。

所得控除

所得控除は全部で15種類あります。

そのうち、確定申告でしか適用されないのは以下の3種類です。

①医療費控除(セルフメディケーション税制を含む)

納税者やその家族が支払った、医療費や購入した医薬品代金などが一定額を超えた場合に受けられる控除のこと。

控除対象となるのは以下のようなケースです。

・医療費:支払った医療費が年間10万円以上

・セルフメディケーション税制:医薬品、検診、予防接種の金額が年間12,000円以上

②寄付金控除

各自治体やNPO法人などに寄付金を支払った場合に受けられる控除のことです。

最近やっている人が多い「ふるさと納税」も対象。

寄付金合計額から2,000円を差し引いた金額を控除できます。

③雑損控除

地震や水害といった自然災害、火災、盗難などによる損失が発生した場合に受けられる控除です。

家具や現金といった、生活に必要な資産が対象となります。

税額控除

税額控除は基本的に確定申告でのみ適用されます。主な税額控除は以下の通りです。

①配当控除

国内株式の配当などの所得がある場合に受けられる控除のことです。

国内株式の場合、法人税が課税された後の利益が分配されます。

さらにそこに所得税がかかると二重課税にあたるため、二重課税分が還付されるのです。

②住宅借入金等特別控除

住宅ローンを利用して、住宅の購入や新築・増改築を行った人を対象とする優遇制度です。

住宅購入の場合、新築か中古かによって適用条件が異なります。

会社員の場合は控除を受ける初年度のみ確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で対応できます。

確定申告でどれくらいの金額が還付されるかシミュレーションしよう

還付金は、「支払い済みの税金」―「確定した所得税額」で算出。

この計算式でプラスになれば還付金が受け取れます。

また前項で触れたような控除を受ける場合は、前もって還付されるかをシミュレーションしておくと良いかもしれません。

以下では、医療費控除・寄付金控除・住宅借入金等特別控除の3つのシミュレーターを紹介しますので、ぜひ確認してみてください。

確定申告のおさらい

還付金について分かったら、実際に確定申告の手続きを進めましょう。

令和5年度分の確定申告は3月15日(金)まで。

1年に一度のことなのでやり方を忘れてしまう人も少なくありません。

以下で簡単に解説するので参考にしてください。

確定申告が必要な人

確定申告が必要な人は以下の通りです。

・個人事業主・フリーランスで48万円以上の事業収入がある人

・給与が2,000万円以上の人

・副業の所得が20万円以上の人

・一定額の公的年金を受け取っている人

・株取引で利益がある人(口座の種類などによって異なる)

・不動産収入がある人

・複数の就業先から給与をもらっている人

もし上記に該当するにもかかわらず「意図的に」確定申告をしなかった場合は、脱税とみなされる場合があります。

無申告加算税や延滞税、場合によっては重加算税などのペナルティを受ける可能性もあるので注意が必要です。

確定申告の基本的な流れ

次に確定申告の基本的な流れも押さえておきましょう。

①必要な書類を揃える

主に必要とされるのは以下です。

・確定申告書

・所得金額が証明できるもの

・控除証明書

・源泉徴収票など

確定申告する内容によって添付書類が異なります。

②確定申告書を作成する

申告書の作成の仕方は以下のように数通りあります。

・自分で作成する

・作成ソフトを使う

・税理士に依頼する

自力で作成すれば、費用はかかりません。

初めて確定申告する方も、少し時間はかかりますが作成できる難易度です。

便利なのは、会計ソフトを使った申告です。

最近ではクラウド型の会計ソフトがいくつかあるので、それに登録してみるのも良いでしょう。

またソフトを使えば記入事項の漏れを防げる、レシートなどをまとめて保存しておいてくれるといったメリットもあります。

③税務署に確定申告書を提出する

申告書への記入・入力が終わったら、税務署へ提出します。

主な提出方法は以下の通りです。

電子申告する

電子申告は税務署で推奨されている方法です。

メンテナンス時間を除いて24時間利用できるので、日中仕事で忙しい人には特におすすめです。

電子申告する際は、必ず以下のものを用意しましょう。

・マイナンバーカード

・カードリーダライタかマイナンバーカードの読み取りができるスマートフォン

・利用識別者番号・パスワード

税務署に持参する

税務署に直接持参する場合は、自身の管轄のところへ行きましょう。

税務署であれば、分からないところや気になるところを職員に確認できます。

ただし確定申告の時期は混雑が見込まれるため、対応してもらえるまでに時間を要する場合があり、注意が必要です。

日中持っていく場合は窓口へ、業務時間以外は時間外の収集箱へ入れましょう。

郵送する

郵便局の窓口から郵送する、もしくはポストへ投函してください。

その際、簡易書留・書留・レターパックで送るのがおすすめです。

還付金がある場合はいつ還付される?

税務署の混み具合によってズレはありますが、だいたい1〜2ヵ月後に還付金の振り込みが確認できるでしょう。

電子申告であれば、2〜3週間程度で還付金が振り込まれるので、少しでも早く受け取りたい場合は電子申告がおすすめです。

e-taxにログインすれば、還付金の処理状況も確認できるので気になる方はこちらもチェックしてみましょう。

還付金処理状況確認について

まとめ

還付金が支払われるケースはさまざまで、そのうち確定申告をしなければ受け取れないケースもあります。 「自分は関係ない」と思っている人でも、還付金を受け取る対象かもしれません。 本記事でまとめた内容を参考に、自身が還付金を受け取れるかどうかをチェックした上で、確定申告の手続きを進めてみてくださいね。 文/aeca

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