延暦寺参るなら必携です ガイドが150の仏堂など本に 迷子になりかけながら書いた労作

参拝者向けハンドブック「比叡山延暦寺の神さま仏さま」を出版した花咲さん(左)と小野寺さん=滋賀県庁

 大津市坂本地区の観光ガイド団体のメンバーが、比叡山延暦寺(同市)の参拝者向けハンドブック「比叡山延暦寺の神さま仏さま」を出版した。広大な敷地に点在する約150もの仏堂や神をまつる社を紹介。写真やイラストを多数掲載し、読みやすさとわかりやすさにもこだわった。「この本を持って『神仏の山』といわれる延暦寺を訪れてほしい」と呼びかける。

 著者は「比叡山坂本観光ボランティアガイドの会・石積み」会員として、10年前の発足当初から活動する花咲てるみさん(65)。「比叡山に多くの神がまつられていることを知ってほしい」と制作を思い立った。

 過去に出版した日吉大社(同市)の関連本でタッグを組んだ同会の小野寺眞見さん(79)に呼びかけ、花咲さんは文章とイラストを、小野寺さんは編集や写真撮影をそれぞれ担当した。延暦寺からも写真提供などの協力を得て、監修は企画段階から相談したという同寺元執行の武覚超(たけ・かくちょう)・求法寺住職が務めた。

 ハンドブックでは、敷地を「東塔」「無動寺谷」「西塔」「横川」の4エリアに分けて仏堂や社、石仏といった見どころを写真やイラスト付きで紹介。写真の中には、普段非公開の法華総持院東塔内部など貴重なものも含まれる。訪れる際に便利な各エリアの全体図に加え、宮沢賢治、高浜虚子ら著名人と延暦寺を巡るエピソードも掲載している。

 小野寺さんは「自分たちで実際に足を運び、確認することにこだわった」と語り、時には「迷子になりかけたこともあった」。約2年がかりで出版にこぎ着け、花咲さんは「延暦寺や日吉大社など最強の協力者のおかげで思った以上の本ができた」と喜ぶ。

 A5判全136ページ。価格は2420円。主要書店や延暦寺内の売店、インターネットで販売。問い合わせは発売元のサンライズ出版0749(22)0627。

© 株式会社京都新聞社