愛猫の「甘え」と「依存」見分けるための2つのポイント どこからが「問題あり」?

愛猫の「甘え」と「依存」を見分けるポイント

1.飼い主さんを後追いする頻度や理由

甘えん坊な猫によく見られる行動といえば、飼い主さんが移動する度に後をついてくるというものです。「遊んでほしい」「おやつがほしい」などの要求があって後追いをしていて、要求が満たされれば後追いをしなくなる場合には全く問題ありません。

また「飼い主さんが大好きだからできるだけ一緒にいたい」という愛情表現で後をついてくる場合も、トイレやお風呂に入っているときに大人しく待っていてくれるなら甘えん坊の範囲内といえるでしょう。

問題なのは、愛猫が飼い主さんと離れることに不安を感じているために後追いをしている場合です。飼い主さんの姿が見えなくなると、「どこにいったの!?」「ひとりにしないで」と鳴くようなら要注意。「甘え」の範囲を超えて、「依存」してしまっている可能性が高いでしょう。

2.留守番ができるかどうか

飼い主さんがお家にいるときにベタベタと甘えてくる猫でも、安心してお留守番を任せられる場合には問題ありません。おもちゃで遊んだりお昼寝をしたりして、ひとりの時間をリラックスして過ごせているのなら、お留守番によるストレスで心身に不調をきたす心配もいらないでしょう。

しかし、愛猫がひとりでいることに強い不安を感じて、お留守番中に問題行動を起こしてしまう場合には、飼い主さんに精神的に依存しすぎているのでよくありません。飼い主さんがいないときに大きな声で鳴き続ける、物を傷つけたり壊したりする、粗相をする、自分の体を傷つけるなどの行動が見られる場合は要注意です。

お留守番に対して大きなストレスを感じる猫は、過剰なグルーミングによる皮膚炎や、食欲低下といった健康への悪影響が出てくることも…。愛猫の心身の健康を守るためにも、精神的な自立を促すことが大切です。

愛猫に依存されている場合の対処法

飼い主さんと離れることに強い不安を感じる猫は、「分離不安症」という心の病気です。愛猫が単なる甘えん坊ではなく、飼い主さんに精神的に依存してしまっているようなら、そのまま放置せずに愛猫との関係や接し方を見直してみてください。

愛猫に精神的な自立を促すためには、ひとりでも安心して過ごせるようになってもらうことが大切です。飼い主さんが日頃から愛猫に構いすぎていると、ひとりになった途端に不安や寂しさを感じやすくなってしまいます。四六時中そばにいて可愛がったり、全ての要求に応えたりするのではなく、適度な距離感で接することを心がけましょう。

飼い主さんが家にいるときも、あえて愛猫にケージの中で過ごしてもらったり、別の部屋で過ごす時間を作ったりして、ひとりでいることに慣れてもらうのもおすすめです。お留守番もまずは短時間から練習して、「飼い主さんは必ず帰ってくるから待っていれば大丈夫」と理解してもらいましょう。

ただし、突然急激に慣らすことで大きなストレスとなる場合もあります。慣らすことを段階として進められたときでも、途中で問題行動が見られた場合は、また振出しに戻って少しずつ慣らしてあげてください。

もちろん飼い主さんがいない間も愛猫がひとりの時間を満喫できるように、快適な寝床やひとり遊びができるおもちゃを用意してあげることも忘れないでくださいね。

まとめ

愛猫の「甘え」は可愛いものですが、「依存」の場合は問題です。飼い主さんがそばを離れるだけで不安になるようでは、愛猫は日々ストレスを感じながら生活することになってしまいます。

愛猫が精神的に自立することは、心と身体の健康にもつながります。飼い主さんは「好きなだけ甘やかしてあげたい」という気持ちを抑えて、適度な距離感で接するよう気をつけてくださいね。

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