「可能性はまだ低いが…」フェルスタッペンのレッドブル離脱の可能性に英専門メディア注目!「後釜」候補を選定。角田裕毅は!?

2024年のF1は2戦を終えたが、マックス・フェルスタッペンがどのセッションでも強さを見せ、後続を引き離して連勝を飾り、チームメイトのセルジオ・ペレスがこれに続く連続2位と、レッドブル勢が今季も素晴らしいスタートダッシュを切っている。

空力デザイナー、エイドリアン・ニューウェイの手になる新たな攻めのデザインが施された「RB20」は、戦前に囁かれた「今季は混戦模様になる」との一部の予想をここまでのところ完全に覆しており、2024年もレッドブルの栄華が保たれると考えざるを得ないという状況だ。

コース上ではあまり不安の見つからない絶対王者だが、チーム内では大きな問題を抱えていると、各国メディアが報じている。チーム代表のクリスチャン・ホーナーがスタッフに対して不適切な行為に及んだとの疑惑が浮上し、調査の結果、潔白との判断が下されたものの、後に匿名の情報源から行為の証拠とされるメールが関係者らに送られるなど、完全な解決には至っていないという。

また、この件をめぐってフェルスタッペンの父親ヨスがホーナー代表を批判し、これにマックスも同調したこと、またヘルムート・マルコ顧問の去就についてもきな臭い噂が流れる中で、2028年までレッドブルと契約を結んでいる26歳の絶対王者に退団の可能性が浮上。本人はこれを否定し、関係者の多くもこのF1最強のパートナーシップが破綻することはあり得ないと見ているようだが、以前のような強固な関係ではないことも事実のようだ。

これを受け、英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』は、「フェルスタッペンがレッドブルを離脱するということは、数か月前だったら全く考えられないことであり、現在でもその可能性はまだかなり低いと思われるが、今では全くあり得ないことではない」と綴り、「では、彼の代わりに誰がレッドブルに加わるのか?」に興味を示し、「フェルスタッペンと同等のドライバーに置き換えるのは不可能」としながらも、後継者候補に言及している。

同メディアが最初の名前を挙げたのは、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ。今年43歳になる大ベテランは今季で契約満了を迎えるため、この数週間で自身の今後の去就を決めると明らかにしたが、今季も随所でその力を示しており、来季よりフェラーリに新天地を求めるルイス・ハミルトンの後釜としてメルセデス入りも噂される。

このスペイン人ドライバーは、強力ゆえに「フェルスタッペンのチームメイトとしては不適格と見られていた」というが、「もし3度のワールドチャンピオンがいなくなるのなら、長期的な視点では最適でないものの、勝利のマシンに乗せるのにアロンソほど相応しい選択肢は他にない」という。
この大ベテランに次ぐ「断然2位」は、もうひとりのスペイン人であるカルロス・サインツ。かつてのレッドブル・グループの一員は、今季限りでフェラーリを去るため、その去就が最も注目されているドライバーのひとり。「予選のドライバーとしてはF1界最高であるシャルル・ルクレールと対等の勝負を展開してきた」という実力と、「アロンソにはない将来に向けてのフレキシビリティー」を、同メディアは大きな強みに挙げている。
続いては、現在のレッドブルのセカンドドライバーであるペレスと、今季は姉妹チームのビザ・キャッシュアップ・RBで2年ぶりのフルシーズン参戦を果たしたダニエル・リカルドの組み合わせであり、「インスパイアを受けるようなものではないが、レーシングチームは時折、最も抵抗の少ない道を選ぶものだ。同グループ内のペレス&リカルドのラインナップは、まさにそれだ」という見解だ。

元レッドブルということでは、ウィリアムズで安定したパフォーマンスを発揮しているアレクサンダー・アルボンの古巣復帰も可能性のひとつとされ、2020年でのシート喪失以降、「ウィリアムズでの経験によって、より幅広いドライバーになった」タイ人ドライバーについては、「キャリアの初期に比べ、現在では表彰台や優勝を争う準備できている」と綴られている。

レッドブルといえば、気になるのは角田裕毅がこの候補に含まれるのか、ということだが、ニコ・ヒュルケンベルク(ハース)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、リアム・ローソン(レッドブル・リザーブ)、オリバー・ベアマン(フェラーリ&ハース・リザーブ)、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス・ジュニアチーム)とともに「ワイルドカード」としてその名が挙げられたが、「オプションとしては考慮されていないよう見える」と、順番としてはかなり後ろの位置に置かれているようだ……。

構成●THE DIGEST編集部

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