「左手があるじゃないか」…カイリーの劇的ブザービーターでマブスがナゲッツに勝利

3月18日(現地時間17日、日付は以下同)。ダラス・マーベリックスはホームのアメリカンエアラインズ・センターでデンバー・ナゲッツと対戦した。

試合は終始拮抗した展開となり、第4クォーターの最後までシーソーゲームが続いた。102-102で迎えた残り27.1秒にナゲッツのジャマール・マレーが3ポイントを決めリードを奪うと、直後にマブスのルカ・ドンチッチが3ポイントを沈めて再び同点に戻す。続くナゲッツのオフェンスが失敗に終わると、タイムアウトを選択したマブスは残り2.8秒で最後のハーフコートオフェンスからプレーを再開。ボールを受け取ったマブスのカイリー・アービングがドリブルでフリースローライン周辺まで切り込むと、マークにつくニコラ・ヨキッチをかわすように左手でフローターを放った。ボールは試合終了のブザーと同時にゴールに吸い込まれ、最終スコア107-105でマブスが勝利を飾る劇的な試合となった。

現地メディア「DallasBasketball.com」によれば、試合後、カイリーはブザービーターとなった左手のフローターについて次のように振り返った。

「ほとんど本能的なもので、あのようなプレーは誰も見ていない何時間にも及ぶ練習によるものだよ。ヨキッチが僕にシュートさせまいとディフェンスについたのが見えた。彼が僕を3ポイントラインの内側に押し込んできて、ヨキッチが僕の少し後ろについているのを感じた途端、僕は『ああ、左手があるじゃないか。左手はワイドオープンだ。やってみないか?』と思ったんだ」

本能的と言いながらも、冷静な判断で行われたプレーであることがよく伝わるコメントだが、この試合で37得点10リバウンドと活躍したチームメートのドンチッチはカイリーのプレーに対して驚きを隠せずにいる。

「あのシュートはアンビリーバブルだよ。僕はベースラインにいて、その場であのシュートを見ていたんだ。ただ信じられない。僕にはできないだろうね。感心したよ。前にも言ったけど、彼は並大抵の選手じゃない。段違いなんだ」

この試合に勝利したマブスは39勝29敗とし、ウエスタンカンファレンス6位のサクラメント・キングスとゲーム差ゼロの7位につけた。レギュラーシーズン終盤で激しさを増すウエスタンカンファレンスの上位争いに弾みをつける勝利となったが、カイリーの目線は既に高みに置かれている。

「究極のゴールはチャンピオンシップだよ。僕たちはそのためにプレーしているんだからね。(ナゲッツを指し)リーグベストのチームと競い合うことだけでは満足していない。僕は彼らを倒したいし、それは僕たちに対して他のチームが持っているものと同じメンタリティだと思うよ」

マブスは次戦、20日に敵地でサンアントニオ・スパーズと対戦する。

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