中国への意見、各国45秒ずつ 国連、早口の演説強いられ不満も

国連人権理事会の作業部会で発言する在ジュネーブ中国代表部の陳旭大使=1月23日、ジュネーブ(Salvatore Di Nolfi/Keystone提供、AP=共同)

 【ジュネーブ共同】中国の人権状況を検証するため1月に開かれた国連人権理事会の作業部会の会合で、発言した国が過去最多の161カ国に上り、結果として各国に割り当てられた発言時間が過去最短の45秒ずつとなった。審査時間が計3時間半と決められているのが理由だが、早口の演説を強いられ、不満そうな表情の外交官もいた。

 検証は「普遍的審査」と呼ばれ、国連加盟各国に対し数年ごとに実施する。発言を希望する国が多ければ各国の持ち時間が短くなる仕組みで、審査される国が各意見に返答をする時間もある。

 米国は中国に対し、45秒間で8項目を勧告し、新疆ウイグル自治区でジェノサイド(民族大量虐殺)が続いているなどとする非難声明も盛り込んだ。あまりの早口に、ある外交筋は「まるでラップ歌手のようだった」と振り返った。

 日本の本清耕造ジュネーブ国際機関政府代表部大使のように、意見を最後まで述べきれなかった国もあった。外交官の間で「痛烈な意見を述べる国の発言時間を短くする中国の戦略ではないか」と勘ぐる声も出た。

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