解体予定の福島市民会館 中庭の茶室「偕楽亭」 有志ら存続呼びかけ 茶会で魅力発信

福島市民会館中庭にある偕楽亭

 解体予定の福島市民会館敷地内にある茶室「偕(かい)楽亭」を守ろうと市民グループが立ち上がった。偕楽亭で茶会を開く活動を通して、参加した市民らに茶室の魅力を発信している。

 福島県福島市の市民会館中庭にある偕楽亭はにじり口を備えた4畳半の茶室と、池や植木を配置した日本庭園がある。偕楽亭は市内の紅葉山公園にあった料亭「偕楽亭」から名付けられている。料亭は女将の故志賀まささんが市民の憩いの場にしてほしいと市に寄贈し、集会所として開放された。その功績を記した報徳碑が市民会館の中庭に移されている。

 志賀さんの思いを引き継ぎ、偕楽亭を存続させたいと有志らが集まり、昨年、「WABUNKAふくしま」を発足させた。偕楽亭を広く市民に知ってもらおうと昨年11月から茶会を催している。

 今月10日の茶会では代表の赤塚礼子さんら会員が参加者に茶を振る舞い、茶室の歴史を説明した。赤塚さんは「市民の憩いの場で心を込めた一服を差し上げる。偕楽亭の魅力を多くの人に知ってほしい」と語った。今後、茶会を通して偕楽亭の移築を呼びかけていく。茶会は4月と5月にも予定している。

 問い合わせはWABUNKAふくしま事務局へ。

(県北版)

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