南紀熊野のジオパークを世界へ 地域課題解決型ワーケーションで首都圏の会社員ら、和歌山

南紀熊野ジオパークをテーマにした地域課題解決型ワーケーション(和歌山県白浜町で)

 南紀熊野ジオパークを世界にPRする方法を探る地域課題解決型ワーケーションプロジェクトが6~8日、和歌山県白浜町など紀南地域であった。首都圏の会社員ら7人が参加し、地元ガイドの案内で、ジオパークの名所を巡り、効果的な情報発信の方法などを考えた。

 プロジェクトは、地方のリゾート地などに滞在しながら働くワーケーションを推進しているIT企業スプラッシュトップ(東京都)が南紀白浜空港を運営する南紀白浜エアポート(白浜町)と連携して開催。県と環境省が後援した。

 昨年6月に続いて2回目のプロジェクトで、昨年は「農業DX(デジタル変革)」がテーマだった。

 県南部の9市町村と奈良県十津川村で構成する南紀熊野ジオパークは、2014年に日本ジオパークに認定された。現在、ユネスコ世界ジオパークへの認定を目指しているが、世界文化遺産の熊野古道やラムサール条約登録地串本町との相乗効果を生み出すことや、全世界への情報発信などの課題を抱えている。

 参加者は円月島(白浜町)、橋杭岩(串本町)、那智大滝(那智勝浦町)など各地のジオサイトを視察したり、マグロ解体ショーを見学したりした。最終日に世界へPRするアイデアを発表した。

 ワーケーションの導入を前向きに検討しているというポンプ製造会社、荏原製作所(東京都)の西羅実和さん(51)は「紀南地域へ来たのは初めて。今回巡った場所で最も印象に残ったのは熊野三山。自分と向き合うスピリチュアルな旅ができる場所だと思った。ジオパークをもっと歴史、文化と結び付けてPRしていけば、海外からも注目されるのではないか」と話していた。

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