犬が『自分のベッドを使わない』心理5つ 主な理由や寝てもらうためにできることとは

犬が自分のベッドで寝られることの重要性

愛犬のためにせっかく買ってきたベッドを使ってくれないと悩んでいる飼い主さんもいらっしゃることでしょう。ベッド以外の場所でも安眠できていれば良いのですが、ベッドは一切使わず、飼い主さんの布団でなければ寝ないという場合はちょっと問題です。

衛生面や安全面にきちんと配慮しているので、一緒の布団でも心配ないと考えるかもしれません。しかし、もしも一時的に一緒に寝られない状況になってしまったときのことを考えると、愛犬がひとりでも寝られるようにしておく方が良いに越したことはありません。

「一緒に寝られない状況にはならないよ」と思われるかもしれませんが、例えば大きな地震や河川の氾濫などで避難しなければならなくなったときを考えてみてください。避難所で飼い主さんと愛犬が同室で暮らせるケースは、まだ稀なことだというのが現状です。

そんな時、ひとりの時でも安心して寝られるベッドがあれば、安心できます。例えば夜は一緒の布団で寝ていたとしても、昼間は犬用のベッドで寛いでいられるようにしておくというのは大切なことです。

そこで今回は、愛犬がせっかく準備した専用のベッドを使ってくれない時の心理について確認し、ベッドで寝てもらうために何ができるのかについて考えてみたいと思います。

犬が「自分のベッドを使わない」心理

犬が自分のために用意されたベッドを使わない理由はいくつかあるようです。健康のために確かな睡眠をとってもらうためにも確認しておきましょう。

1.慣れないニオイがする

犬は、周囲の情報の多くを嗅覚で認識しています。そのため、自分のニオイや飼い主さんのニオイがしていると安心し、普段嗅ぎ慣れないニオイがしていると非常に警戒し、不安になります。

例えば、買ってきたばかりのベッドや、香料のきつい洗剤で洗濯した後は、嗅ぎ慣れないニオイを嫌ってベッドを使ってくれないかもしれません。

2.もっと体温調節をしやすい場所がある

犬は実は、体温調節があまり得意ではありません。そのため、今いる場所の室温が不快に感じた場合、たとえ眠かったとしても少しでも過ごしやすい場所へと移動することで、暑さや寒さをしのぎます。

また、ベッドの素材が季節にあっていない、ベッドの設置場所の気温が変化しやすいといった場合、もっと過ごしやすい場所に移動してしまうでしょう。

3.もっと静かな場所がある

犬は聴覚もとても優れているため、人には聞こえないようなごく小さな物音や高い音程の音も聞こえています。

そのため、飼い主さんにはあまりうるさいとは感じないような場所でも、愛犬が寝るためにはうるさくて落ち着けない環境なのかもしれません。

4.もっと居心地の良い場所がある

通販番組などで繰り返し取り上げられている商品に、マットレスや枕などの寝具があります。睡眠アドバイザーなどという職業もあるほど、人にとって寝心地の良い寝具を見つけるのは至難の業です。同じように、犬にも寝心地の良いベッドと悪いベッドがあるのです。

いろいろと工夫をしたのにどうしてもベッドを使ってくれないという場合、ベッドよりも寝心地の良い場所があるということです。愛犬の行動をよく観察し、普段寛いでいるときや昼寝をしている時にどういう場所で過ごしているのかを確認してみましょう。

5.もっと安心できる場所がある

犬は習性上とても警戒心が強いため、できるだけ安全な場所にねぐらを構えたがります。

ベッドの形状や設置場所からあまり安心できる環境ではないと感じた場合、より安全な場所で寝たいと思うのは自然なことでしょう。

愛犬に自分のベッドで寝てもらうためにできること

では、愛犬に自分のベッドで寝てもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。

せっかく愛犬のために買ったベッドを活用できるよう、以下の工夫をしてみることをおすすめします。

ニオイ対策

買ったばかりのベッドは、今まで嗅いだことのないニオイがしているはずです。ベッドが新品の場合は、そのニオイのせいで犬が嫌がっている可能性があります。

その場合は、しばらく日に当ててニオイを飛ばしましょう。

さらに、普段愛犬が使っているブランケットや飼い主さんが今まで着ていたシャツなどをベッドの中に入れてあげると、安心して使うようになるかもしれません。

設置場所の見直し

ベッドの設置場所を見直してみましょう。外の音が聞こえたり、人の出入りが激しい場所、テレビやオーディオのそばなどに設置してはいないでしょうか。

また、外気温に影響されて暑くなったり寒くなったりする環境ではないでしょうか。

ベッドそのものだけではなく、設置場所によっても使ってもらえなくなってしまうので注意が必要です。

寝心地対策

愛犬の年齢、体調や過ごし方の変化に合わせて、ベッドの素材や広さも見直してあげましょう。

若くて元気な頃は丸まった姿勢にピッタリとフィットする程度の狭さが好まれ、シニア期は少しゆったりした広さの方が好まれる傾向があるようです。

また、素材の硬さなどにも好みがあります。自分の体重で少し沈み込むくらいの方が落ち着ける子もいれば、少し硬いくらいの方が寝返りが打ちやすくて寝やすい子もいます。

普段寛いでいる場所を参考に、ベッドの素材や形状を見直してみましょう。

安心できる環境づくり

犬は、四方を囲まれた狭くて薄暗い場所を安全だと感じます。そのため、開放的なベッドよりも、クレートやケージの中にベッドを入れた方が落ち着けるかもしれません。来客中や留守番時にも安心して過ごせるよう、クレートに慣らしておくことをおすすめします。

犬にとって最も安心できる場所の一つが、飼い主さんのそばです。ベッドを使わずに飼い主さんの布団に潜り込んでしまうという場合は、飼い主さんのそばで安心して寝たいという気持ちからかもしれません。

どうしても飼い主さんと離れると寝られない場合は、飼い主さんのベッドの脇に愛犬用のベッドを設置し、慣れてきたら寝室の隅の方にベッドを移してみる等、少しずつ飼い主さんとの距離を離していくことで、ひとり寝ができるようにしていきましょう。

まとめ

災害だけではなく、病気や仕事などで飼い主さんがしばらく家を空けなければならなくなるケースは、決して珍しくありません。

その時のためにも、愛犬が「このベッドがあれば安心して寝られる」という状況を作っておくことが望ましいでしょう。

ベッドそのものの選択もさることながら、ベッドの設置場所や環境整備にも気を配り、いざという時のために愛犬が安心できる「いつものベッド」を作ってあげましょう。

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