劇的ブザービーターを沈めマブズを勝利に導いたアービング。左手での決勝弾に「両利きであることに感謝したい」<DUNKSHOOT>

現地時間3月17日(日本時間18日、日付は以下同)に行なわれたダラス・マーベリックス対デンバー・ナゲッツの一戦は、劇的な形で幕を閉じた。

105-105の同点で迎えた第4クォーター残り2.8秒、マーベリックスのポゼッション。マキシ・クリバーのインバウンドパスを右コーナー付近で受け取ったカイリー・アービングは、そのままドライブを仕掛けフリースローライン近辺から左手でのフック気味のフローターを試みる。ニコラ・ヨキッチ越しに放たれたそのショットは、ブザーとともにリングに吸い込まれていった。

ショットを沈めた直後、勝負を決めた左手を掲げながら雄叫びを上げつつ、チームメイトからの手洗い祝福を受けたアービング。最終スコアは107-105、誰もがオーバータイムを予想したなかでのドラマチックな幕切れ。自らの手で昨季チャンピオンを下した31歳のスーパースターは、試合後の会見で最後の局面をこう振り返った。

「チームメイトに信頼されながらプレーできてよかった。フリースローラインの外側から、左手でフローターを打てたのはラッキーだったよ。ペイント内に近づいたと思ったけど、試合後に見たらかなり遠かったね。両利きであること、そして自分が信じて取り組んでいるスキルに感謝したい」
アービングは本来は左利きだったものの、幼少期に右利きに矯正された過去を持つ。だからこそ、左右どちらの手でも華麗なハンドリングを披露できるし、今回の左手での劇的ブザービーターも沈めることができたのだろう。

この試合に勝利したことで、マーベリックスの今季成績はフェニックス・サンズと並びウエスタン・カンファレンス7位タイの39勝29敗(勝率57.4%)。プレーオフにストレートインできる6位のサクラメント・キングスとはゲーム差なしの一方、9、10位のゴールデンステイト・ウォリアーズ、ロサンゼルス・レイカーズともわずか3.5ゲーム差と、気を抜けば抜かされる可能性もある。

混戦模様で最後まで気が抜けないウエストの順位争い。このアービングの決勝弾をきっかけに、調子を上げていきたいところだ。

構成●ダンクシュート編集部

© 日本スポーツ企画出版社