「こんな日が来るなんて…」おととし地震で被災 福島市唯一の酒蔵が新天地で再スタート

おととしの福島県沖地震で大きな被害を受けた福島市の酒蔵が、市内に新たな製造拠点を設け再スタートしました。

16日にお披露目されたのは、福島市内唯一の酒蔵、金水晶酒造の新しい製造拠点「四季の蔵」です。

金水晶酒造は、最大震度6強を観測したおととしの地震で蔵が全壊し、一時、酒造りが困難な状況となりました。

金水晶酒造店・斎藤美幸社長(当時・去年)「新酒を待っている人たちがたくさんいることが分かって、これは造らないといけないと思って(酒を)造った」

建物を修復しながら酒造りを続けてきましたが、明治時代に建てられた蔵の傷みは激しく、新しい拠点に移ることを決断しました。そして、迎えた新天地での再スタート。酒造りに使われるのは、近くを流れる荒川の伏流水。荒川は、13年連続で水質日本一に選ばれています。また、市の南西部にはワイナリーなどもあることから、市も新たなにぎわいづくりに期待しています。

木幡浩市長「酒蔵ツーリズムを始めていきたいので、中心として期待している」

この日は、関係者のほか日本酒ファンも訪れ、振る舞われた新酒に舌鼓を打っていました。

金水晶酒造・斎藤美幸会長「うれしい。こんな日が来るなんて夢にも思わなかった。福島市唯一の造り酒屋として、酒で福島の良さを伝えることが使命。飲んだ人に福島は良いところだなと思ってもらえるような酒造りを続けたい」

新しい酒蔵にはショップも併設されていて、日本酒の試飲ができるということです。

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