開幕ローテ争うアドゥワ誠 粘投 黒原拓未も2軍で好投 週末の広島カープ 開幕相手DeNAと2戦 30代ベテラン勢が存在感 森下暢仁 順調&シャイナー 絶好調

開幕まで2週間を切ったプロ野球。広島カープは、マツダスタジアムで、開幕カードを戦うDeNAとのオープン戦2連戦に臨みました。

3月16日(土)オープン戦 vs. DeNA(マツダスタジアム)

先発は、プロ5年目の 森下暢仁 。侍ジャパンでの登板をはさみ、オープン戦2度目のマウンドとなりました。その立ち上がり、オープン戦で打率4割越えをマークし、売り出し中のドラフト1位ルーキー・度会隆輝 をサードフライに打ち取るなど無失点のスタートを切ります。

「変化球はしっかり腕を振って投げられた」と今月1日の楽天戦に続いて3回まで無失点に抑えると、開幕2戦目の先発を見すえ、当初の5回の予定を切り上げ、この回でマウンドを降ります。

広島カープ 森下暢仁 投手
3回 球数37 被安打2 奪三振1 失点0
「監督が開幕カードだったということで『もういいだろう』ということで代わりました。ここからはしっかり準備してチームが勝てるような投球をしたいと思うので、いい準備をしていきたいと思います」

一方、打ってはシャイナーが絶好調。まずは3回、この日のチーム初安打を放ちます。2点を追う5回には、レフトを襲う大きな当たりでツーベースヒット。オープン戦初のマルチヒットとなったシャイナーは、「コンパクトに振ってもあそこまで飛ぶということがわかって非常によかった」と開幕を前に収穫十分です。

そのシャイナーが作ったチャンスの場面。打席は 菊池涼介 。3塁線を破る鋭い打球はタイムリーツーベースとなり、カープが1点を返します。

さらに6回、1アウト・3塁・1塁のチャンスで 秋山翔吾 。DeNA・西巻賢二 の好プレーで惜しくもヒットとはなりませんでしたが、全力疾走で1塁はセーフに。ダブルプレー崩れの間に同点に追いつきます。

しかし、続く7回表、1アウト・2塁のピンチを迎えます。ここでカープを救ったのは、この回の守備から出場した 林晃汰 。鋭い打球をジャンピングキャッチするファインプレーで守りでもしっかりと存在感をアピールします。

同点のまま迎えた8回。途中出場の4年目・二俣翔一 。「とにかく出塁を考えて立った」という打席でファンが思わず「惜しい!」と言いたくなる大飛球。さらに相手のミスを見逃さず3塁まで進みます。

その後、相手のバッテリーミスの間に二俣は勝ち越しのホームイン。

広島カープ 二俣翔一 選手
「とにかく出番がなかなか少ないので、きょうも1打席という中でしっかり自分のスイングをしたうえで結果が出たので、それをしっかり自分の持ち味をアピールしてやっていきたいなと思っています」

守ってもキャッチャーの 坂倉将吾 が足で揺さぶるDeNAの盗塁を3度刺す活躍を見せ、開幕戦の相手に対し1点差で逃げ切りました。(広島 3-2 DeNA)

広島カープ 新井貴浩 監督
「(これから)レギュラークラスの出場機会というのは増えてくるんですけども、まだまだ最後まで若い選手のいい競争を見せてもらいたいなと思います」

3月17日(日)オープン戦 vs. DeNA(マツダスタジアム)

日曜日は、開幕ローテーション “最後の1枠” を争う アドゥワ誠 が先発でした。その立ち上がり、ヒットやデッドボールで1アウト・満塁のピンチを背負います。

それでも、オープン戦打率3割8分を超えるルーキー・石上泰輝 から三振を奪うと、続くバッターをサードライナーに打ち取り、なんとか無失点で切り抜けます。

2回以降は本人も「修正できた」とストライク先行、かつ緩急をつけたピッチング。動くボールを駆使しながらテンポよくアウトを積み重ねていきます。

5年ぶりの先発挑戦となるアドゥワは、味方のエラーもあった5回に1点を失いますが、修正力を見せた25歳に対し新井監督は「ナイスピッチング」と内容を評価しました。

広島カープ アドゥワ誠 投手
5回 球数77球 被安打5 奪三振3 失点1
「最後、失点してしまったんですけど、粘り強くはできたかなと思います。(初回は)狙いすぎて制球を乱したんですけど、そこをゼロでなんとか切り抜けたことで修正ができたかなと思います。(開幕ローテ入りに向け)最低限の結果は残せたのかなと思います」

野手ではこの日、30代のベテラン勢が存在感を見せました。まずは1番で起用され 野間峻祥(31) 。第1打席で初対戦となるDeNAの新外国人ケイを相手に6球連続ファウルで粘ります。そして12球目を選んでフォアボール。得点にはつながりませんでしたが、濃い内容の出塁を見せました。

5回には、ランナー2塁の場面で9番・上本崇司 。三遊間を破り、2試合連続ヒット。2年前に開幕スタメンを勝ち取った33歳のバットもここにきて振れています。

2点を追う6回には、2番・34歳の菊池がピッチャー返しで出塁。

続いて、オープン戦打率4割を超える 小園海斗 。積極打法で初球をとらえた打球はレフトの右へ。菊池の代走・二俣が好判断で3塁を陥れます。

このチャンスに途中出場の 田中広輔(34) 。「ファーストスイングを大切にしている」という34歳は、こちらも初球をとらえ、タイムリー。3連打で1点差に詰め寄ります。

さらに満塁として代打の切り札、チーム最年長の 松山竜平(38) 。2ストライクと追い込まれていましたが、最後は片手を離しながら変化球に対応。外野まで飛ばします。犠牲フライで小園が生還し、同点に追いつきました。

その後、試合は雨が強くなり、6回降雨コールドで2対2の引き分けに終わりました。

青山高治 キャスター
オープン戦とはいえ、開幕カードなのですごく緊張感もありました。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
そうですね。そんな中で若手・ベテラン、そして新外国人の状態が上がってきた。不安がなくなってきているんじゃないかと思います。

青山高治 キャスター
シャイナーが打ちました。

天谷宗一郎 さん
そこが、見ているファンも首脳陣もちょっと心配な点だったと思うんですけど、あのヒット2本で吹っ切れたんじゃないかと思います。本人のコメントにもあったように「コンパクトに振ってもそこまで飛ぶ」。そういうことを確認できたことも大きかったんじゃないかと思います。

青山高治 キャスター
また、森下投手は(開幕カードの)DeNA戦で投げるかもしれないと新井監督から話があったみたいですが…

天谷宗一郎 さん
そんな中でしっかり結果を残した。DeNA打線からすると、やっぱりことしもやっかいな相手だなと早めに印象づけられた。これも大きかったと思います。

青山高治 キャスター
こうやって残り5試合っていう中で若手の目の色が違う感じも…

天谷宗一郎 さん
そうなんです。二俣選手のああいう細かいところの判断も生きてきますから。

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