フリーアナ吉田明世、仕事と育児に走り続けた4年半、母としての決断

現在、5才の女の子と3才の男の子のきょうだい育児に奮闘中のフリーアナウンサーの吉田明世さん。4月という新しい環境がはじまる季節を前に、吉田さん自身も仕事と育児に改めて向き合うことを決めたそうです。育児エッセイ第46回です。

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子どもとの時間

暖冬といえどやっぱり寒いよね、と実感した冬が終わり、季節はあっという間に春を迎えましたね。
3月に入ると、卒園式や卒業式、そして4月には入園式や入学式、入社式など、今はまさに新たな門出、出会いと別れが交錯する季節ですね。

私にとってもこの春は、大切なお仕事との別れがあります。それは、2019年の10月から続けていたTOKYO FMのラジオ番組「THE TRAD」を卒業するということ。

娘が生まれて、それまでお世話になったTBSテレビを退社。フリーランスになってもなお、ラジオを通して声を届け、アナウンサーの仕事をさせてもらえていることに感謝しかありません。
育児も仕事も100%全力で! といきたいところではありますが、私はあまり器用なタイプではないので、子どもが生まれてからずっと、「これでいいのかな? ちゃんといいお母さんができているだろうか? ちゃんと期待に応えられる仕事ができているだろうか?」という葛藤はずっと抱き続けています。

数ヶ月出産のためお休みしていた時期はあったものの、THE TRADを担当して4年半。気づけば赤ちゃんだった娘はすっかり少女を思わせる姿に成長しました。5月には6才の誕生日を迎え、いよいよ小学校に上がるまでのカウントダウンが始まったのです。
お姉さんのような振る舞いができるシーンも増えた娘ですが、まだまだ甘えん坊なところもあり、就学前の残り1年となった今、子どもたちとの時間をもう少し増やして行きたいという思いを抱くようになりました。

私らしい生き方

人生において、何かを始める決断よりも、何かをやめる決断の方が、とても勇気がいることなんだなということを、大人になればなるほどつくづく実感しています。

これまでお世話になった出演者の皆さんや番組スタッフのみなさんとのお別れは、とっても寂しいです。何より、こんなにも優しくて居心地のいい場所を去るというのが、本当に正しいのかどうかも今はまだ分かりません。
でも、今見逃すと二度と戻ることができない子どもたちの今の成長を、母として近くで見守り支えたい。数年後振り返った時に、自分の選択は間違ってはいなかったと胸を張って言えるように、これから母としてできることを精一杯やっていきたいと思っています。

卒業する番組は、昼~夕方にかけての生放送ということからなかなか時間的に難しくなってしまいましたが、朝のラジオは引き続き担当させてもらう予定です。
その他のお仕事も引き続き子育てとのバランスを自分なりに考えながら続けさせてもらいます。こういった働き方は、私がフリーランスという特殊な仕事だからこそ選ぶことのできる道ではありますが、仕事に育児にと常に悩み頑張っているお母さん・お父さんたちが、自分らしい生き方の選択ができるような世の中になったらいいなと強く願っています。

この春、新たな門出を迎える皆さんにとって、良きスタートとなりますように。

文・写真/吉田明世 構成/たまひよONLINE編集部

●記事の内容は2024年2月の情報で、現在と異なる場合があります。

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吉田明世さん(よしだあきよ)

PROFILE
1988年生まれ。2018年5月に女の子を、2020年12月に男の子を出産した。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、東京FM「ONE MORNING」(月~金6時~9時)「THE TRAD」(月・火15時~16時55分)レギュラー。ほかにTV、イベント、コラム連載など幅広く活躍中。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。2022年、初の絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版。

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