『鬼滅の刃』『ヒロアカ』『黒執事』 2024年春アニメは待望の続編が目白押し

2024年春のアニメラインアップは、人気作の続編が中心となっており、アニメファンにとっては待ちに待ったシーズンが到来することになる。例えば『魔法科高校の劣等生 第3シーズン』、『無職転生 II ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール』、『ゆるキャン△ SEASON3』、『この素晴らしい世界に祝福を!3』などは、いずれも前シーズンまでの人気と話題性を背負って、さらなる物語の展開を見せてくれることが期待される作品だ。

そんな2024年の春アニメから、アニメファンから特に注目が集まっている5作品をピックアップして紹介する。

■『響け!ユーフォニアム3』
武田綾乃の小説を原作に、テレビシリーズや映画として展開されてきた『響け!ユーフォニアム』シリーズの最新作、『響け!ユーフォニアム3』が4月からNHK Eテレで放送開始。3年間という限られた高校生活の中で繰り広げられる部活動ならではのドラマが、いよいよ最終学年に突入する。

第3期のキービジュアルは、今回の目玉となる新たなキャラクター「黒江真由」が中心に描かれている。以前公開された久美子のキービジュアルには「私、北宇治が好き」というフレーズが書かれており、真由のビジュアルの「私、合奏が好き」というコピーとの対比が面白い。第2弾キービジュアルでは、新3年生となった久美子たち4人が一斉に歩く様子と対照的に、黒江真由が楽器ケースを携えて反対方向へ歩く姿が描かれていた。真由の存在は、北宇治高校吹奏楽部にどのような変化をもたらすのだろうか。

3年生になり部長となった久美子が率いる、パワーアップした北宇治高校吹奏楽部の演奏も早く聴きたいところだ。

■『黒執事 寄宿学校編』
前作『黒執事 Book of the Atlantic』から7年の時を経て、セバスチャンとシエルがこの春に帰ってくる。4月から放送開始する『黒執事 -寄宿学校編-』では、女王から、英国を代表する名門寄宿学校・ウェストン校に通う複数の生徒が行方不明になったという内容の手紙がシエルに届くことから始まる。これを受け、セバスチャンとシエルは事件の真相を解明すべく、ウェストン校へと潜入するのだった。

『黒執事』では、2008年のアニメ放送開始以来、シエル役の坂本真綾、セバスチャン役の小野大輔らファンにはお馴染みの声優陣が「寄宿学校編」でも引き続き続投している。さらに、新キャラクター「P4」を演じる渡部俊樹、武内駿輔、榎木淳弥、橘龍丸が新たな彩りを加えることに。これらのキャラクターは新旧どのように絡み合いながら物語を紡ぎ出すのだろうか。

■『鬼滅の刃 柱稽古編』
社会現象を巻き起こした『鬼滅の刃』の新章「柱稽古編」が、5月12日からスタートする。この章では、これまで触れられることのなかった柱たちの過去や内面、さらにはギャグを交えた日常の描写が豊富に盛り込まれることが予想される。最終決戦を前にした「嵐の前の静けさ」を思わせる一方で、登場人物たちの和やかな交流が描かれるのだろう。視聴者にとっては、柱たちの個性やパーソナリティを深く理解できる機会となりそうだ。

原作では鬼との直接的な戦闘が描かれていないため、コミックス15巻と16巻にわたる比較的短い範囲の物語をどのように1クールで展開するのか、その構成に対する関心が高まっている。引き続き監督は外崎春雄、脚本・シリーズ構成はufotableが担当する。アニメ版では、柱の視点から描かれる回想シーンやオリジナル演出が加わった、厚みのある物語が期待できるだろう。

■『僕のヒーローアカデミア』第7期
ヒーローだけでなく敵であるヴィランたちの深いドラマをも描き、ファンからの熱い支持を集めている『僕のヒーローアカデミア』。第6期では、デクたちヒーローと死柄木弔率いる敵<ヴィラン>の間で繰り広げられる「全面戦争編」や、デクが孤独な戦いを経て仲間との絆を再認識する「黒いヒーロー編」が展開された。

デクは、孤独な戦いを乗り越えて「ひとりじゃなく、皆で戦う」という新たな決意を固める。一方で、オール・フォー・ワンの影響下で「全てを壊す」という信念を持って前進する死柄木弔。2人の思いが交わった先で、ヒーローとヴィランの最終決戦への道が描かれていく。

そして、5月4日からの7期の物語のスタートに先駆けて、4月6日、13日、20日、27日に『僕のヒーローアカデミア Memories』と題された特別放送が4回にわたって行われる。過去の重要なエピソードに新規シーンを加えて再構成した本作は、キャラクターたちの内面に迫り、第7期の物語をより深く理解する手助けとなるだろう。過去作を見逃していた視聴者にとっても、第7期スタートに向けて準備を始める絶好の機会となるに違いない。

■『転生したらスライムだった件』第3期
『転生したらスライムだった件』第3期で中心となるのは、クレイマンを打ち倒し、魔王の座に就いたリムル。魔王たちの集会であるワルプルギスを経た後、リムルの支配する領域はジュラの大森林全域にまで拡大し、多くの種族の代表たちが挨拶をしに来ることが予想される。これを機に、リムルは自らの魔王としてのお披露目と、テンペストへの新規住民獲得を目指した「開国祭」の開催を計画する。

また今回の『転スラ3期』は、放送枠にも注目したい。『転スラ3期』は4月から日本テレビ系列で毎週金曜23時の「FRIDAY ANIME NIGHT」枠にて、連続2クールで放送されることが決定している。この時間枠は以前『葬送のフリーレン』が放送されていた枠であり、『転スラ』第3期の放送がどのような反響を呼ぶかが気になるところ。

また、ディアブロのファンには嬉しい知らせも。見放題配信サービスでは第3期の配信に先駆けて展開が予定されている48.5話「閑話:ディアブロ日記」が3月30日23時より、第3期が4月6日23時よりそれぞれ順次配信を開始する。強者揃いのリムルの部下の中でも、“最強”と噂されるディアブロだが、謎多き彼の内面にようやく一歩迫ることができそうだ。

2024年の春アニメラインアップは、過去のシリーズでその面白さとクオリティが証明されている有名作品が目白押しだ。とはいえ、いずれも新キャラクターを迎えるなど、新しい見どころが加わってバージョンアップしていることは言うまでもない。原作やこれまでの放送を振り返る時間として、4月までの“準備期間”も楽しもう。
(文=すなくじら)

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