大きな買い物をしていないのに「貯金」がない! 一番気をつけるべきは「日々の食費」?

1日単位の食費の把握が重要な理由

そもそも、なぜ1日単位の食費に着目したほうがよいのかを考えてみましょう。最大の理由は、毎日食費にかかっている金額を知ることで、お金を使っている感覚を、より身近に得られるためです。一生に使う食費を聞かされても、大半の人は多いのか少ないのか認識しづらいでしょう。年間の食費でも同様の感覚を抱く人は少なくありません。

月あたりの食費は月収との比較で、なんとなく多いか少ないかの判断がしやすくなります。さらに細かく1日あたりの食費を算出すると、1回の食事にかかる金額も認識できるため、より食費に敏感になれるでしょう。その結果、工夫による節約や、暴飲暴食などの抑止へとつながります。

買い物のたびに、支出への意識が高まる効果も期待できます。3日に1回食料の買い出しをするのであれば、1日あたりの食費の3倍の金額以内に収まるように買い物をするなど、適切な支出額を計算しやすくなる点もメリットです。同時に、細かな支出の調整もしやすくなります。意識改革が具体的な行動へとつながり、貯金額の増加にも寄与するでしょう。

1日あたりの平均的な食費

自分の食費の1日あたりの金額の把握は重要ですが、そもそも、自分が食事にかけている費用が一般的に高いか低いかを把握しておかなければいけません。

総務省統計局の「令和5年 家計調査」の結果によると、単身かつ勤労者世帯における1ヶ月あたりの平均食料費は、4万3617円でした。これを30日分とし1日あたりの食料費を計算してみると、約1454円となります。まずは、自分の1日あたりの食費と平均金額にどれほどの差があるのかを確認しましょう。

家計調査の結果から、さらに主要項目の1日あたりの食費もみてみます。例えば、米やパンなどの穀類には、1ヶ月あたり2619円の費用がかかっていますが、これを1日あたりになおすと約87円です。

同じように計算してみると、肉類は約69円、野菜・海藻は約84円、菓子類は約107円となります。さらに、調理食品は約280円、飲料は約118円、外食は約476円でした。これらも、項目ごとに自分の支出との比較が不可欠です。

食費を抑えて貯金を増やそう

上記のように、1日あたりの食費を計算してみると、意外と多いと感じる項目もあれば、逆に少ないと感じる項目も出てきます。菓子類や調理食品、飲料は、衝動買いなどすると、すぐに1日あたりの金額を超えてしまう人も少なくありません。だからこそ、1日あたりにかかる金額の把握が大切です。

大きな買い物があったわけでもないのに貯金が増えない人は、1日単位の食費を割り出し意識してみましょう。もし平均よりも過剰に支出している項目があれば改善の余地が出てきます。改善できれば月あたりの食費も抑えられ、毎月貯金に回せる金額も増やせるでしょう。

食費も貯金も、積み重ねが大切です。1日数十円や数百円程度の節約でも、月単位や年単位でみれば大きな金額となります。そうした意識と行動を生み出すためにも、1日あたりの食費の把握が不可欠です。

1日単位の食費の把握は意識と行動を変える

食費を月あたりではなく1日単位で把握しておくと、節約の効果が期待できます。自分の食事にかかる金額を身近に感じられ、食関連の支出への意識が高まり、買い物の際にも調整しやすくなるためです。1人暮らしの人の平均的な食費は1日あたり「1400〜1500円」ほどです。

まずは、自分の食費とこの金額とを照らし合わせます。そのうえで無駄を省き、毎日数十円でも節約できれば、徐々に貯金に回せる金額も増えていくでしょう。

出典

総務省統計局 家計調査2023年 1世帯当たり1か月間の収入と支出 1 (実数,構成比,増減率,寄与度)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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