寒暖差による「凍霜害」暖冬でリスク高まる 去年は県内で23億円余り被害 今年はより注意を

資料 

暖かかった週末から一転、18日は「寒の戻り」となりました。この寒暖差が引き起こす「凍霜害」に、今年はより一層注意が必要です。

広報車アナウンス:
「今年は農作物の生育が例年より早く『凍霜害』にあう危険性が高まっています」

リンゴ畑の中を走る広報車。呼びかけるのは「凍霜害」への注意です。

花や枝に霜がつく「凍霜害」。4月は発生が最も多くなる時期です。2023年は、長野県内で23億円余りの被害がありました。統計を始めた1984年以降、5番目の多さです。リスクを高めているのは近年の「暖冬傾向」です。

長野県・長野農業農村支援センター:
「本年も果樹類の生育が進んでおりまして、“遅霜”や“低温”による作柄への影響が心配されています」

県やJAなどは、「今年も発生リスクが高い」と、警戒を強めています。18日から全県で啓発活動を始め、5月31日まで対策を呼びかけます。

飯綱町のリンゴ畑では、農家がせん定作業に追われていました。例年、リンゴの花の開花は5月初めごろですが、2023年は10日ほど早まったため霜がおりて花が枯れ、収穫量が2割~4割減ったといいます。

リンゴ農家:
「(去年は)収量が少ない、品物(リンゴの)品質が悪かった」
「スタートからいいものが採れないという状況。春、夏、秋と作業していくのは精神的にもきつい」

畑には、冷たい空気がたまらないようにするファンが設置されていました。県は、他にも、日中のうちに地面の温度を上げておく対策などを呼びかけています。

長野県・長野農業農村支援センター・西沢滝太所長:
「事前の対策で被害を軽減することもできるので、できることをやっていただくことをお願いしたい」

岸本さん、早くも霜の注意喚起ですね。

岸本慎太郎気象予報士:
「実際の被害はまだなさそうですが、去年は3月25日から霜注意報が発表されました。そろそろ注意する必要がありそうです。一方、この先は寒さが戻ります。強い寒気の影響で、今週の半ばは、平地でも最高気温5℃に満たない日も出てきますので、お気をつけください」

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