ウォリアーズ王朝を築けたのはデュラントのおかげ?「彼の加入前、チームは潰れる寸前だった」と重鎮トーマスが主張<DUNKSHOOT>

ゴールデンステイト・ウォリアーズは、2014-15シーズンからの8年間で5年連続を含むNBAファイナル進出6回、優勝4回と黄金期を築いた。その中心にいるのは言うまでもなくステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンのビッグ3だが、2016~19年に在籍したケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)がいなければ、歴史は変わっていたと殿堂入り選手のアイザイア・トーマスが持論を述べている。

ウォリアーズはスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が就任した2014-15シーズンから瞬く間にウエストの強豪へ。67勝をあげた初年度にNBAファイナルでレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)擁するクリーブランド・キャバリアーズを破って優勝を飾る。しかし、翌2015-16シーズンは73勝のNBA記録を樹立し、2年連続で進出したNBAファイナルでもシリーズ3勝1敗と先に王手をかけながら、グリーンの第5戦出場停止などもあって、まさかの3連敗で2連覇を逃した。
直後の2016年夏、リーグを代表するスコアラーのデュラントが加入。ビッグ3から魅惑のカルテットにパワーアップし、ウォリアーズは2016-17、2017-18シーズンとリーグ2連覇、デュラントは2年連続でファイナルMVPに輝いた。

2018-19シーズンのNBAファイナルでトロント・ラプターズに敗れたのち、デュラントはブルックリン・ネッツへ移籍。トンプソンのケガによる全休もあって2シーズンはプレーオフから遠ざかったが、2021-22シーズンには再びビッグ3体制でリーグ優勝を果たしたのはまだ記憶に新しい。

ウォリアーズを支えるのは、NBA記録の通算3ポイント成功数3683本を誇る史上最高のシューターの呼び声高いカリーであり、カリーと“スプラッシュ・ブラザーズ”を組むトンプトン、最優秀守備選手賞を獲得した経験を持つグリーンの功績も大きい。しかし、かつて“バッドボーイズ”と呼ばれたデトロイト・ピストンズで、リーダー役を務めた殿堂入り選手のトーマスは、グリーンがホストを務めるポッドキャスト番組『The Draymond Green Show』に出演した際、2016年夏にデュラントが加入し、2連覇を果たしていなければ、ウォリアーズは違った形で記憶されていただろうとの見解を示した。
「大胆な発言をするけど、みんなが動揺しないことを願う。ケビン・デュラントがゴールデンステイトに加入する前、君たちは潰れる寸前だった。73勝9敗のNBA記録を打ち立てながら、ファイナルでクリーブランド・キャバリアーズに敗れたチームとして記憶されることになるところだった」

トーマスが主張したのは、2015-16シーズンのNBAファイナルでの大逆転負け。その後、デュラントが加入してリーグ2連覇を果たしたことで、ウォリアーズは王朝を築いたと認められたと語る。
「(2015-16シーズンのNBAファイナル)シリーズ3勝1敗からのタイトル逸は、おそらくNBAファイナル史上最大の崩壊のひとつだった。あの夏、ケビン・デュラントが現れ、ゴールデンステイトのバスケットボールのレガシーを救った。もしあの夏にデュラントが来ず、君たちが“73勝9敗のチーム”として記憶されることになれば、君たちのレガシーはすべて変わってしまう」

デュラントはグリーンと口論をきっかけに確執があった時期もあったとされるが、ウォリアーズのタイトル獲得に大きく貢献した人物なのは間違いないだろう。

構成●ダンクシュート編集部

© 日本スポーツ企画出版社