2024年5月から電気代が上がるって本当? その理由とは

電気料金の仕組みとは?

現在の電気料金の仕組みは、電気料金=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金の計算式で算出できます。「基本料金」「電力量料金」「再エネ賦課金」の特徴を表1にまとめました。

表1

※経済産業省 資源エネルギー庁「電気料金の改定について(2023年6月実施)」を基に筆者作成

特に電力量料金は、火力発電の燃料価格により毎月変動するため、変動分を自動で調整する仕組みが取り入れられています。そのため、燃料価格が上がると電気料金も上がり、燃料価格が下がると電気料金も下がる構造となっています。

電気代が値上がりする理由とは?

電気代が値上がりする理由はおもに以下の3つが考えられます。

__・燃料費の高騰
・国内の電力供給不足
・再エネ賦課金の値上げ__

世界情勢の影響からくる燃料費高騰により、エネルギーの約9割を輸入に頼っている日本では、電気代やガス代などにも大きな影響を受けています。

東日本大震災による原子力発電所の停止や老朽化した火力発電所の廃止などにより、国内での電力供給量が減少したことも理由の1つです。電力供給がひっ迫し、国内の電力会社は電気の仕入れ値が上がったことで、電気代にも影響を受けています。

また、電気料金に含まれる再エネ賦課金の単価の値上げも懸念されています。2022年度までは毎年値上がりしており、2023年度に1キロワットアワー3.45円から1.40円まで下がっていますが、一時的な場合もあるため、2024年以降は再び単価が上がる可能性も考えられるでしょう。

2024年5月から電気代が上がる

現在、電気料金の値上がりの影響を軽減させる目的で「電気・ガス価格激変緩和措置」と呼ばれる対策がとられています。緩和措置の内容は以下の通りです。

__・低圧契約(一般家庭)の場合は1キロワットアワーあたり3\.5円
・高圧契約(企業)の場合は1キロワットアワーあたり1.8円__

例えば、月に500キロワットアワー使用したとすると、低圧契約では1750円の値引きが適用されます。

しかし、これらの緩和措置は2024年の4月使用分までで、5月以降はこの緩和措置の幅が縮小されることが決定しています。低圧契約が現在の半分まで縮小するとなると、上記の例で1750円÷2=875円となり、割引額が減少してしまうため、結果的に電気代が上がってしまうのです。

電気代をおさえる工夫をしましょう

不安定な世界情勢による燃料費高騰問題はいまだ解決しておらず、電気・ガス価格激変緩和措置も縮小されることを考えると、今後も電気代が下がる可能性は低いと考えられます。

少しでも電気代を節約するために、電力会社・電力プランの見直しや省エネ対策をするなど、さまざまな方法を駆使して電気代をおさえる工夫をしましょう。

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 電気料金の改定について(2023年6月実施)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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