池江、0秒01差の争い制す 拠点の豪州で自信取り戻す

女子100メートルバタフライ決勝のレースを終え、手を合わせる池江璃花子=東京アクアティクスセンター

 18日の女子100メートルバタフライで、池江璃花子は僅差の争いを制して個人種目の五輪切符をもぎ取り、ゴールすると思わず「良かった」と漏らした。3位との差は0秒01。「今の自分には満足している。言葉にならないくらい、うれしい」と安堵の笑みを浮かべた。

 「(気持ちが)前のめりになっていた」と前半は想定より速いタイムでトップ。後半は体力が厳しくなったが、腕を懸命に回して粘った。最後は「手の長さを生かしたタッチ」で2位を守った。

 近年は思うような結果が出ず「『早く試合なんか終わればいい』とか、マイナスなことしか考えていなかった」と打ち明ける。昨秋から拠点とするオーストラリアの指導陣がまず考えたのが、失った自信の回復だった。

 笑顔を絶やさないコーチらにもり立てられ、オープンな雰囲気もあって、気持ちは前向きに。世界トップクラスの選手と練習で心身が充実。敵なしだった高校生時代以来久しぶりに「レースが楽しみ」という心境で今大会を迎え、自信を取り戻した。

 3度目の五輪の目標は「まずは決勝に残ること。悔いの無い結果を出したい」。

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