「党再生へ厳しい処分避けられない」「今が正念場。本当に変わらないと」…裏金事件で揺れる自民、党大会出席の鹿児島県関係者は危機感あらわ

岸田文雄首相(自民党総裁)

 派閥の政治資金パーティー裏金事件で揺れる自民党は、17日の党大会で深い反省と改革の必要性を前面に打ち出した。出席した鹿児島県関係国会議員や県議は間近に迫る鹿児島市議選や次期衆院選を見据え、危機感をあらわにした。

 「深刻な政治不信を引き起こし心からおわびする」-。岸田文雄首相は総裁演説の冒頭、国民や集まった党員らに謝罪し、事件関係者の厳正処分を明言した。

 野村哲郎参院議員(鹿児島選挙区)は「議員にとって最も重い話である処分に言及したことに決意を感じた」と評価。党政治刷新本部会合などで処分の必要性を訴えていた宮路拓馬衆院議員(鹿児島1区)は「世論調査を見ると信頼回復には程遠いのが現状だ。党再生のためにも厳しい処分は避けて通れない」とした。

 「地域を歩くと有権者の心が離れていってしまうとの危機感を強く感じる」と話すのは党県連女性局次長の中村素子県議。「政治が人心から離れたら終わり。今が正念場。現場に立ち戻り、本当に変わらないといけない」と指摘した。

 党県連政調会長の園田豊県議は「自らが起こした災害のようなものだ」と話し、「市議選をはじめ選挙への影響も多分に予想される。国民が納得できる実効性のある対応をしないと理解は得られない」と強調した。

© 株式会社南日本新聞社