難易度や登山コース紹介 「岩手百名山」発刊 東京・雲表倶楽部

 東京都に拠点を置く山岳会の雲表倶楽部(藤原雅一代表)は、2023年で設立80周年を迎えた記念として、本県の百名山を独自に選定して登山ガイドブック「岩手百名山」=写真=を作成し、大船渡市のイー・ピックス大船渡印刷から出版した。県内の書店などで販売している。税抜き1900円。

 「岩手百名山」はA5判191ページ。同倶楽部が独自に選定した本県の百名山を県北(21)、県央(25)、県南(31)、沿岸(23)の4エリアに分けて掲載。岩手山をはじめ一つ一つの山について登山の難易度や歩行時間、コースの特徴などの情報を写真や地図を添えて紹介している。東日本大震災からの復興応援企画として温泉やグルメ、地酒も取り上げている。

 同倶楽部は1943(昭和18)年、東京都で結成。全国各地で登山活動を活発に行い、本県にも会員がいる。「岩手百名山」は、多くの都道府県で独自の百名山を選定する動きが活発化している中、本県は国内2番目の面積で著名な山々があるものの独自の百名山はないことから作成。同書の刊行によって登山はもちろん、宿泊・入浴やグルメ、土産物などを楽しむ人を増やし、本県の地域創生と震災復興につなげることを目的としている。

 百名山の選定に当たっては▽県内外の人々に広く認知され、親しまれている▽ハイキングだけでなくクライミングや沢登り、山スキーなど多様な手段で登られている▽他県の人から見ても魅力があり、岩手の個性を感じられる―の3点を基準にした。藤原代表ら同倶楽部メンバーが2022~23年に分担調査した。

 著者の一人で岩手百名山選定発起人の前村真一さんは「とりわけ山の調査に関しては、限られた日程の中で岩手県を訪れたものの、なかなか思い通りに進まず難儀した。委員全員で助け合いながら調査執筆を終えることができたのは、今となっては良い思い出」とあとがきに寄せている。

 問い合わせは、イー・ピックス大船渡印刷=0192(26)3334=へ。

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