世界のインフレ、なお克服されず BISが警告

[フランクフルト 18日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)のカルステンス総支配人は18日、世界主要国が経済の「ソフトランディング(軟着陸)」に向かいつつあるものの、インフレはなお完全には克服されていないと警告した。

カルステンス氏は講演で「インフレ鈍化に伴う実体経済への代償は驚くほど小規模だった」と指摘。同時に「ソフトランディングが保証されているわけではなく、各国の中央銀行の仕事は終わっていない。インフレは鈍化しているものの、依然として中銀の目標を上回っている。今後さらに多くの困難が待ち受けているのは確実だ」と述べた。

また、脱グローバル化や経済の分断化、不利な人口動態、気候変動との戦いの必要性といった多くの要因により、物価は中期的に圧力にさらされる見通しで、中銀はインフレ抑制の約束を果たす必要があると強調した。

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