北海道旭川市/市民文化会館整備基本構想案、現施設より大きな規模に

北海道旭川市は、建て替えを計画している市民文化会館の整備基本構想案をまとめた。「鑑賞」「活動」「交流」「発信」の四つの機能を備えた施設とし、ホールは著名なアーティストによる公演ができる音響性能を備えるとともに、コンベンションでの利用にも対応できるよう多目的なホールとする。施設規模は基本計画で決めるが、ホール座席間隔の狭さやトイレ不足などの現会館の課題解消のため、現施設より延べ床面積の大きな建物となることを想定している。
7条通9丁目にある現在の旭川市民文化会館は、RC一部S造地下1階地上3階建て塔屋1階延べ1万2035平方メートルの規模で、1974年に竣工した。1500席以上の大ホールや300人規模の小ホール、市内最大級の展示室を備えるなど実演芸術の公演や全道・全国規模の催事、市民の文化芸術活動などに対応できる多目的文化施設として、道北一の規模を誇る。
しかし開館から50年近くが経過し、屋上防水や外壁などの劣化による雨漏りや配管設備の漏水などが発生するなど建物全体の老朽化が著しい。現行のバリアフリー基準に不適合であるなど利便性の点でも課題を抱えている。
基本構想案を見ると、ホールは高い音響性能を備え、コンベンションのほか多彩なジャンルのイベントが開催できる多目的なホールを整備。文化芸術活動を中心とした発表会や講演会などにも対応できるようメインホール以外のホールも整備する。
ロビーとなるホワイエや小規模な展示会に対応するギャラリー、会議室やリハーサル室として活用する活動室、共用スペース、オープンスペース、飲食施設の設置も検討する。
建設地は6条通9丁目の旧総合庁舎跡地、神楽4条8丁目の大雪クリスタルホール多目的広場、常磐公園の3カ所を候補とし、現時点では中心部から近い旧総合庁舎跡地が優位としている。事業手法は財政負担軽減の観点からPFIなどの民間資金の活用を検討。施設規模や建設地などとともに基本計画で決定する。
今後は2025年度末をめどに基本計画を策定し、最短で31年度の開設を目指す。

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