大成建設/水中コンクリの打ち上がり高さ自動計測システムを開発、大深度基礎も正確

大成建設は、水中に打設するコンクリート(水中コンクリ)の打ち上がり高さを自動計測するシステムを開発した。打ち上がり高さを正確に把握し、打設量を適切に管理。コンクリートを余分に用意する必要がなく残コンの削減が可能で、二酸化炭素(CO2)排出量とコストの削減につながる。自動計測のため水中コンクリ打設時に計測員の常駐が不要。測定値の人的誤差解消や計測データのデジタル化で作業効率の向上を図る。
新システム「T-Pile Measure」は、関西オートメイション(大阪市北区、宮坂典央社長)、成和リニューアルワークス(東京都港区、幸長茂雄社長)と共同で開発した。水中に打設するコンクリートの打ち上がり高さを全自動で連続的に計測。計測値をデジタルデータとして取得する。
計測は事前に設定した計測プログラムに従って、任意の計測間隔で水中コンクリの打ち上がり高さを自動計測。重りを下げていきコンクリ天端に着底と同時に高さを計測し、▽巻き上げ▽待機▽つり下げ▽計測▽巻き上げ-を繰り返し行う。
計測値は、デジタルデータで取得。各種管理帳票へのデータ移行がスムーズに行える。計測データをモバイル端末に視覚的に表示することで、関係者間での情報共有や遠隔からのデータ確認などにも活用できる。記録やデータ整理などの作業を効率化する。
正確な計測と計測データの視覚的な表示や、記録・データ管理の効率化、情報共有、さらには適切な打設量を管理でき残コン削減に貢献。人為計測では対応が困難だった大深度(40~50メートル)の基礎工事でも、大型の重りを使用して正確な計測データを取得できる。
今後、コンクリート打設に関わる新開発技術「T-Pileシリーズ」の一環として、土木・建築分野を問わず、場所打ち杭や地中連続壁の構築に積極的に展開する。地盤形状の3次元計測技術「T-Pile 3D Monitor」と組み合わせて残コンの削減を図る。杭の総合施工管理システム「T-Pile Recorder」とも連携予定。施工管理業務を効率化・省力化する。

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