全圧連/現場作業は午後3時まで施工計画で配慮を、ゼネコンに要望書送付

全国コンクリート圧送事業団体連合会(全圧連、佐藤隆彦会長)は、4月に時間外労働の罰則付き上限規制が適用されるのを踏まえ、4月以降の現場での圧送作業時間の終了時間を午後3時までとする要望書を、ゼネコンなどの本・支店に発送した。作業車の回送時間などを考慮すると、建設揚重業(移動式クレーン建設業)などと同様に従来の作業時間では上限規制をクリアできないため、圧送作業の終了時間を繰り上げ、ゼネコンらに対し施工計画段階からの協力を求めた。ゼネコン側は今後、施工計画の見直しを迫られることになりそうだ。
要望書は、上限規制の特別条項付きの三六協定を締結した場合でも、1カ月当たりの時間外労働が45時間を超えられる月が年6回しかなく、全圧連ではこの45時間を毎月順守できるように努めることが重要と判断。それをクリアできる作業時間を検討した。
具体的には4月以降の新規物件から、4週8休を前提とした稼働を計画できる地域は、圧送作業時間を午前8時~午後3時(うち休憩1時間を含む)、4月以降も土曜日の圧送作業が続く地域は4週6休(土曜月2回の稼働)を前提とし、圧送作業時間を午前9時~午後3時(同)とする標準作業時間を提示。この作業時間に基づいた施工計画への配慮を求めた。要望書は日本建設業連合会の会員企業と全国建設業協会傘下の建設会社の本支店計1万1181カ所、全国中小建設業協会らに発送した。
全圧連は昨年11月、作業車の現場までの回送時間などを含めると、月80~120時間の時間外労働が発生している業界特有の事情をゼネコンらに訴え、施工計画段階での改善を求めていた。その中で、ゼネコン側から4月以降の施工計画に当たり、上限規制をクリアできる具体的な作業時間を示しほしいとの声が多数寄せられたことから、今回改めて標準作業時間を示した要望書を作成した。

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