国交省/総合評価賃上げ加点、能登半島地震被災4県で運用見合わせ

国土交通省は能登半島地震で被災した新潟、富山、石川、福井の4県内で発注する直轄工事を対象に、賃上げを行う企業を加点評価する総合評価方式の運用を当面見合わせる。地元企業の被災状況の差異を踏まえ、入札参加者間の公平・公正な競争環境を確保する観点での措置。4月以降に入札公告する案件を対象とする方向で、北陸、近畿の両地方整備局で詳細を調整する。被災企業を対象に賃上げ未達成時の減点措置を免除する特例措置も適用する。
港湾空港関係を含む土木全般や営繕など国交省直轄工事の共通ルールとして13日付で整備局などに事務連絡を送った。同地震の「特定非常災害」への指定を受け、被災地で加点措置の見合わせや減点措置の免除を容認するとの財務省の姿勢を各省庁に示した1月31日付の通知文書を踏まえた対応となる。
加点措置の見合わせは4県内に施工場所がある工事や、競争参加資格の地域要件の対象地域を4県内を含む形などで設定している工事で適用する。見合わせの終了時期は未定。現地の復旧状況などから判断するとみられる。
減点措置の免除は、加点措置を受けたが被災などのやむを得ない事情で賃上げを実施できなかった事業者に適用する特例。賃上げを行うと表明した期間に1月1日の発災日が含まれ、同地震で災害救助法が適用された市町村に主要な事業所がある場合などに特例が受けられる。
災害救助法の適用市町村に主要な事業所となる本社や本店がなくても、主力となる支店や自社工場、大口の取引先があるケースなどを含め、被災地の実情に応じて特例の適用には柔軟に対応する方針。その場合は整備局などに個別に相談してもらう。
能登半島地震の被災企業に配慮した今回の措置について、国交省はホームページ(HP、https://www.mlit.go.jp/)に通知文書とともに、運用の詳細を解説するQ&Aを掲載している。建設業団体向けの説明会も開く予定。

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