規格外の魚おいしく提供 富山県黒部市宇奈月温泉「やまのは」、魚津漁協と連携

カマスやメダイの刺し身などが出された試食会=やまのは

 富山県黒部市宇奈月温泉の旅館「黒部・宇奈月温泉やまのは」は21日から、魚津港で揚がった規格外の魚や低利用魚を調理し、ビュッフェレストランで提供する。魚津漁業協同組合などと協力した取り組み。規格外の魚や量が極端に多かったり、少なかったりする魚は活用しにくいケースが多いが、保存法や調理法を工夫する。試食会が18日、やまのはであった。

 魚津港ではさまざまな魚介類が水揚げされる。ただ、人気の魚種でも大きすぎたり小さすぎたりするものや、漁獲量が安定していない魚種などは買い手が付きにくいという。

 やまのはは、味はおいしいのに利用されない現状を変えようと、低利用魚の活用に取り組む魚津漁協と協力してビュッフェでの提供を検討。魚津港の魚を近くの県鮭鱒(けいそん)漁業協同組合で加工後に冷凍保存し、量がまとまった魚種について調理するなどの筋道を付けた。

 試食会ではカマスやメダイ、カサゴなどの刺し身やすしが並び、小さい魚や量の少ない魚を使ったつみれも出された。すしにするには小さいアジはフライにした。宇奈月温泉の宿泊施設の女将(おかみ)らが味わい、「おいしい」「揚げたてでサクサク」などと好評だった。

 やまのはの幸田敬司(こうだひろし)総支配人は「漁業の課題解決に少しでも貢献できるといい」と話した。

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