大村市がバス路線再編へ 「中央循環線」の新設目指す 新市庁舎の移転や都市開発で

「(仮称)中央循環線」の拠点の一つになる見込みの新大村駅=大村市植松3丁目

 長崎県大村市は市内バス路線の再編などを目指す地域公共交通計画の案を発表した。新市庁舎の移転や新大村駅周辺の都市開発を踏まえ、市中央部を結ぶ路線「(仮称)中央循環線」の新設を図る。一方、利用者の少ない区間は予約型乗り合いタクシーへの転換を検討。市民に意見を公募し、バス・タクシー事業者との協議を進める。
 市が路線再編を目指す背景にはここ数年にわたる都市の変化がある。2028年度に供用開始予定の新市庁舎は、現在地から約3キロ北西の森園町へ移転。西九州新幹線新大村駅(植松3丁目)東側には今月、複合施設「サクラミライ新大村」が一部オープンし、周辺では都市開発や人口増が続くと見込まれている。
 「(仮称)中央循環線」は新市庁舎、新大村駅と、現在のバス路線の拠点と位置付けられているJR大村駅前・大村バスターミナルを結ぶ想定。大村インターチェンジ(IC)や市民病院などの通過も視野にルートを検討している。
 中央循環線は、既存の南部循環線(ターミナル-イオン大村-向木場入口)、北部循環線(新大村駅-大村車両基地-市民病院)とともに市街地の移動需要の取り込みを図る。これに伴い、市街地を走る路線の重複区間を統合する考えだ。
 一方、利用者が少ない路線では通学などの需要がある便のみ運行を維持し、その他は予約型乗り合いタクシーへの転換を検討。現時点では野岳・竹松線、萱瀬線、横山頭線の利用者が少ないが、再編の対象と決まっているわけではない。
 計画は28年度までの5カ年で、それまでに路線再編を目指す。計画案について今月21日までパブリックコメント(意見公募)を実施している。

中央循環線の走行イメージ

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