離島診療を長大病院が遠隔支援 高速大容量通信を活用 4月から

五島中央病院から送られてくる、内視鏡のリアルタイム映像を見る消化器内科の専門医(右)ら=長崎大学病院

 長崎県と長崎大、県病院企業団は18日、長崎大学病院の専門医による離島地域の遠隔診療支援を4月から開始すると発表した。高速大容量の通信規格を限定的な範囲で運用する「ローカル5G」を活用。専門医の少ない離島で医療体制維持に役立てる。
 3者は2021年から実証事業を開始し、23年に推進協議会を設置。体制整備を進めてきた。
 県によると、対馬、壱岐、五島中央、上五島の離島4基幹病院がそれぞれ長崎大学病院とつながる。診療時に映像が重視される消化器内科、脳神経内科、皮膚科で月に患者50人程度まで対応を予定。高画質の4Kカメラやモニターを使い、長崎大学病院の専門医が離島の診療現場の映像を見ながら同時進行で医師に指示するなどしてサポートする。
 18日、長崎大学病院で3者の事業協定締結式があり、永安武学長は「医師の働き方改革や医師不足に対して遠隔医療をどう使っていくか(を考えるの)が、われわれの使命」と強調。いずれ他の診療科に拡充していく考えも示した。
 五島中央病院と回線をつないでデモ運用。同病院で模擬患者の十二指腸や食道を内視鏡を使って撮影し、そのリアルタイム映像を長崎大学病院のモニターで約100倍まで拡大して表示した。

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