県北振興へ新4指標 茨城県 26年度、観光客1005万人に

県北振興「チャレンジプランNEXT」指標

茨城県は、県北6市町の地域振興に取り組む指針「県北振興チャレンジプラン」を3月中に改定する。雇用創出や観光振興、人材育成を中心とする基本方針を維持しながら、臨海部と山間部ごとの地域特性に応じた施策を展開する。3年後の観光入り込み客をコロナ禍前から1割超増やす1005万人とするなど、新たに観光や産業分野で4項目の目標値を定める。

改定後の計画期間は、2024~26年度の3年間。「観光入り込み客の人数」「新製品開発とビジネス創出の件数」「農家の年間所得」「雇用人数」の4項目で目標となる指標を設定する。名称は「チャレンジプランNEXT」と変更する。

指標では、日立、常陸太田、高萩、北茨城、常陸大宮、大子の県北6市町の年間観光入り込み客数について、26年に1005万人達成を目指す。県の観光客動態調査ではコロナ禍前の19年が897万人。各市町が定める総合計画に基づき、12%増を設定した。

このほか、県支援による新製品開発や新規ビジネス創出の件数を24~26年度の累計で51件と計画。生産面積が50アールを超える農家の26年の年間所得を600万円と定め、22年に比べ189万円増やす。起業型地域おこし協力隊委嘱や起業家育成講座など県が支援した創業による雇用も26年度末までに300人とする目標を掲げた。

チャレンジプランで掲げる産業の競争力強化、観光振興、人材育成など各施策は臨海部と山間部の地域特性に応じて展開する。臨海部では企業の技術力を生かした新分野進出や水産物ブランド化を推進し、山間部では有機農業の生産強化や体験観光の創出などを支えていく方針。

県によると、県北地域の65歳以上の高齢化率は23年10月現在、県内5地域の中で最も高い37.2%に上る。人口も1月現在、32万8685人で、5年前から約3万人減少している。

県北地域の少子高齢化を背景に、県は19年、産業活性化や地域の自立的発展を目指したチャレンジプランを策定。「県総合計画の県北地域版」(県北振興局)として、中小企業の収益力向上や農林水産業振興、地域資源を活用した観光促進策などを進めてきた。

同局の担当者は「具体的な指標を定めることで、計画の進捗状況を評価しながら施策を進めていきたい」と話した。

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