寄宿舎「発展的解消」検討会 検討会が今月中に報告書を栃木県教育委員会へ提出

 廃止が延期された栃木と那須の特別支援学校の寄宿舎の問題を受け、県教育委員会が設置した有識者らによる検討会の最後の会合が3月18日栃木県庁で開かれ、将来的に廃止すべきとする報告書の案をまとめました。

 報告書の案は、これまでに開かれた7回の会議の中で委員から出た意見などをもとにまとめられたもので、特別支援教育の在り方についてそれぞれの項目ごとに現状と今後の方向性を示しています。

 このうち、知的障がいがある児童生徒が親元を離れて共同生活を送る栃木と那須の特別支援学校の寄宿舎について、この半世紀の間に新たな特別支援学校が8校でき遠距離を理由とした利用者は減少していると現状を指摘しています。

 そのうえで、今後は障がいがあるないに関わらず、地域で共に生活できるようにしていくための支援が求められるとし、通学保障などこれまで大きな役割を果たしてきたものの「発展的に解消することが適当」と明記されました。

 委員からは「寄宿舎の解消は、今利用している子どもの生活を切り替える重い判断。具体的なアフターケアはどうするのか」といった意見がありましたが将来的な廃止への賛成が大半を占めました。

 検討会では、今回の会議で委員から報告書案の同意を概ね得られたとして今年度中に、正式な報告書として県教育委員会に提出する予定です。

 県教育委員会の阿久澤真理教育長は「寄宿舎の廃止の方針は変わらない。報告書の提出を受けた後、新年度から廃止時期を含めた具体的な検討に入りたい」と述べていて、会議を傍聴した存続を求める関係者からは不満の声が漏れました。

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