神戸の街をお菓子で再現 見立て作家・田中達也「ミニチュアライフ展」神戸阪急で開催中 4月1日まで

「MINIATURE LIFE展 ~田中達也見立ての世界~」入り口

コッペパンが新幹線に、そしてブロッコリーは森に……身近な品とジオラマ用の人形を組み合わせて別のものに見立て、ユーモアあふれる小さなの世界を作り出す、ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さん。日々作品写真をアップするInstagramのフォロワー数は370万人を突破し、世界からも注目される気鋭のアーティストです。そんな田中さんの作品が、いま、神戸阪急に約150点集まっています。兵庫初開催となる作品展「MINIATURE LIFE展 ~田中達也見立ての世界~」に行ってきました!

【写真】あまりに優しい世界…お菓子で作られた神戸の街 田中達也さんの作品

今回神戸阪急に集められたのは、田中さんが制作した見立て実物作品が約50点、それらを撮影した写真作品約100点です。働く人々の情景を描いた「Workers」や、躍動感あふれる一場面を切り取った「Sports」、家族の温かなふれあいを描いた「Family」など、テーマの異なる9つのコーナーに分けて展示。遊び心に溢れた空間になっています。

作品は、身近な日用品が新たな世界を作り出す、ひらめきとアイデアが詰まったものばかり。同じ作品でも写真と実物では違った視点で楽しむことができます。さらに、中華鍋で炒めるチャーハンの波に乗ってサーフィンを楽しむ人の様子を捉えた「チャーフィン」や、お皿やキッチン用品などを遊園地に見立てた「ディッシュニーランド」など、“言葉の見立て”の発想を生かしたタイトルも、作品の世界をより楽しいものにしています。

今展では、神戸をモチーフにした作品も展示されています。食パンで作られた新神戸駅の周りを、コッペパンの新幹線が走り抜ける「新パン線」と、アイスクリームのコーンをポートタワーに見立て、洋菓子の街・神戸をお菓子で再現した「おかしな神戸」の2作品は、今回の展覧会に合わせて制作された、ここでしか見られない作品です。特に「おかしな神戸」は、観覧車やタワー、ホテルなど、ハーバーランドの景色を神戸らしいお菓子で見事に表現。今展の目玉と言えます。

田中さんがミニチュア写真を撮影し始めたのは、Instagramがきっかけでした。趣味で写真を撮るうちに被写体が欲しくなり、もともと集めていたミニチュア人形を使って工夫する中で、現在の“見立て”という作風につながったといいます。2011年に制作を開始してから一日も欠かすことなく毎日作品を投稿。頭の中には、常に1000個近くのアイデアをストックしているそうです。

自由な発想を楽しんでいた子どもの頃のように、視点を変えることで発見できる“見立て”の楽しさが詰まった作品展。会場の作品は全て撮影OKで、思い思いの視点でカメラに収めることが可能です。田中さんは、「作品をご覧いただいた後に、身の回りのものが少しでも楽しく見えると幸いです」と語りました。

神戸阪急での「MINIATURE LIFE展 ~田中達也見立ての世界~」の開催は、4月1日(月)までです。

取材・文=村川千晶(放送作家)

◆「神戸阪急リニューアル記念 ミニチュアライフ展 田中達也 見立ての世界」
2024何3月13日(水)〜4月1日(月)午前10時〜午後8時
※最終日のみ午後5時終了
開催場所:神戸阪急 本館9階 催場
入場料金:当日一般1,100円、中高生600円、小学生以下無料

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