メタバースで不登校支援 青森県むつ市教委、2学期に相談室開設

実際にアバターを操作しながらメタバース教育相談室について説明する山本市長=18日、むつ市役所

 青森県むつ市教育委員会は新年度、仮想空間「メタバース」を使った不登校の子どもの支援について検証する。2学期中の3カ月間、「メタバース教育相談室」を開設し、不登校の小中学生に居場所や多様な学びの場を提供する。18日、市役所で説明会を開き、山本知也市長が実際に操作しながら相談室の概要を紹介した。

 市教委によると、2022年度の市内の不登校児童生徒数は96人。そのうち半数以上の子どもたちが、学校や相談機関と定期的なやりとりや面談を行っていない状態だという。

 メタバース相談室は、こういった子どもたちが市教育相談室や学校とつながり、対面での支援を受けるきっかけとなることを目指す。自分の分身「アバター」を操作し、相談室に常駐している教育相談支援員のカウンセリングを受けたり、オンライン授業や他のアバターとグループワークに取り組んだりすることができる。名前や顔を出す必要がなく、会話も音声だけでなく文字でのやりとりが可能で、子どもたちが参加しやすい環境となっている。

 市内のほか、下北4町村の児童生徒も参加できる。開設後に検証を行い、次年度以降の運営を検討する。

 山本市長は「学校や相談機関とつながっていない子どもたちが、まずはメタバースで相談することで、対面での相談や登校に向けた入り口として活用してほしい」と話した。

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