水島焼肉マップ ~ 地域おこし協力隊が移住者視点で食べ歩いた地元の名店をご賞味あれ

近頃、水島が「焼肉の街」として注目され始めているそうです。特に地元の人たちは、それぞれに行きつけのお店があるのだとか。

私もいつか水島に焼肉を食べに行ってみたいと思っていたところ、「水島焼肉マップ」を発見。

発起人の村上雄一(むらかみ ゆういち)さんに話を聞いてきました。

水島焼肉マップとは

水島焼肉マップは、倉敷市水島地区で地域おこし協力隊をしている村上さんが選んだ水島地区の焼肉10店舗が掲載されたマップです。

地域おこし協力隊は、地方公共団体が三大都市圏をはじめとする都市地域から人材を受け入れ、地場産品の開発・販売等の地域おこし支援等を行いながら地域への定住・定着を図る、国(総務省)の制度を根拠とする取組です。

画像提供:村上雄一

見開きのパンフレットになっていて、各店舗の情報とそのお店を推薦する地域住民のコメント、そして、企画編集を担当した村上さんの村上MEMOが掲載されています。

画像提供:村上雄一

裏表紙には水島地区の地図も載っているので、位置関係も把握できます。

画像提供:村上雄一

焼肉といえばおいしいお酒を飲みたくなるので、公共交通機関を利用して訪問できるお店が多いのはありがたいなと思いました。

より詳しい情報は MIZUSHIMA NAVI をチェック

水島焼肉マップは紙媒体のマップですが、見開きに10店舗も掲載されているので1店舗あたりの紹介文は数行で写真も4枚ずつです。

いろいろなお店のなかから行きたいお店をリストアップするのには十分な情報量ですが、メニューや食レポなどの詳細な情報もほしい。

そのようなときは、ホームページ(MIZUSHIMA NAVI)をチェックします。ホームページには店舗の情報はもちろんのこと、村上さんが実際に訪問した際の「訪問ブログ」が掲載されています。

MIZUSHIMA NAVI より

メニューや味だけでなく、店員さんやお店の雰囲気も事細かにレポートされているので、誰とどのようなタイミングで行こうかなどイメージが湧きやすくなりますね。

水島焼肉マップ内にも、ホームページにアクセスできるQRコードが掲載されています。

水島焼肉マップ作成の経緯

水島焼肉マップ作成の経緯について、企画編集を担当した村上さんにインタビューをしました。

──水島焼肉マップ作成のきっかけを教えてください。

村上(敬称略)──

地域おこし協力隊として水島に移住してきて、多くの人からいろいろな焼肉屋さんを紹介してもらったんです。それで、実際にお店に入ってみたらどこもおいしくて。この感動を誰かに伝えたいと思っていました。

そんなときに、水島メモリーズの「私たちの学校ウリハッキョ」を読んだ市の職員さんから「焼肉マップを作ってみないか」と声をかけてもらいました。

──「ウリハッキョ」とは何ですか。

村上──

朝鮮学校のことです。
水島は戦時中に航空機製作が盛んな地域で、そのために朝鮮から多くの人がやってきました。戦後も、水島には朝鮮にルーツを持つ人が多く生活しています。

そのような人たちが、戦後の水島でとんちゃんホルモン食堂を開き、今もなお多くの焼肉屋さんがこの街に残っています。

──水島の街の歴史と焼肉は、深くつながっているのですね。焼肉マップを作成するにあたってこだわったポイントはありますか。

村上──

水島全域を網羅できるようなマップにするよう心掛けました。

水島は、水島・福田・連島の大きく三つの地区があります。もともと福田は備前の国、連島は備中の国だったので、今もなお各地区それぞれに活動をしています。

でも私は、移住者だからこそ、地区にこだわらずに率直においしいと感じたお店をたくさんの人に知ってもらいたかったので、全域を網羅するマップにしました。

──このマップの作成は、全部ひとりで作成したのですか。

村上──

いいえ。私は企画と編集を担当しただけです。

お店の選定や取材は、ミズシマ盛りあげ隊の人たちと一緒におこないました。マップにも、お店を紹介してくれた市民の顔写真とコメントを掲載しています。

また、印刷も水島にあるホートク印刷にお願いしました。印刷だけでなくデザインのアドバイスもしてもらいました。私のつたないイメージをカタチにしてくださって、本当に感謝でいっぱいです。

地域おこし協力隊として活動してみて、水島に対する熱い思いのある人たちにたくさん出会いました。今回の焼肉マップはまさに、私に関わってくれた人たちと一緒に作った「共同作品」だと思っています。

──「水島焼肉マップ」をどのように使ってもらいたいと思っていますか。

村上──

まず一番に、水島に住む人たちに手に取ってもらいたいです。

なぜなら、水島に住んでいる人たちは個人経営の焼肉店がたくさんあることが当たり前になっていて、焼肉店の多さ・質の高さがこの街の魅力だと認識していないからです。

だから、水島に住む人たちがほかの地域の人にこの街の魅力を尋ねられたときに、このマップを手にしながら「焼肉屋がたくさんあること」を誇り、語ってほしいと思います。

倉敷市は高齢化が進んでいて、水島も例外ではありません。そのため、高齢のかたにも手に取ってもらいたいと思い、紙媒体でリリースをしました。

しかし、実際に焼肉を食べに行くのは住民からこのマップを受け取った子どもや孫の世代だと想定しています。そのため、お店の詳細情報はホームページで見られるようハイブリッドなマップを作りました。

画像提供:村上雄一

──最後に、読者へメッセージをお願いします。

村上──

水島の人たちにとって焼肉店は、肉を思い切り食べるだけでなく、酒場であり、居場所です。

水島コンビナート夜景とセットで水島の焼肉店にも、ぜひ足を運んでみてください。

おわりに

個人経営の焼肉屋さんは街で見かけますが、初めて入るのには勇気が必要です。

そのようなときも、水島焼肉マップを持っていると「マップを見てきました」と誰かに紹介してもらったような気持ちで、初めてのお店にも入れそうです。

水島焼肉マップのホームページで行きたいお店を見比べて、紙のマップを片手に水島の焼肉を堪能してみてはいかがでしょうか。

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