山形ワイン、マレーシアに初輸出 米沢の小島洋酒店と東北・食文化推進事業協が連携

小島洋酒店は県内7ワイナリーのワインをマレーシアに初めて輸出し、首都クアラルンプールでPRイベントを開いた(東北・食文化輸出推進事業協同組合提供)

 酒販業の小島洋酒店(米沢市)が東北・食文化輸出推進事業協同組合と連携し、山形ワインを初めてマレーシアに輸出した。マレーシアでは、イスラム教徒は飲酒習慣がないものの、中華系移民や外国人旅行者には飲酒する人がおり、消費量は年々伸びている。県内16銘柄を輸出し、今月1日に首都クアラルンプールでPRイベントを開き、高評価を得た。

 2017年に輸出事業を立ち上げ、県産酒の海外販売に力を入れてきた。ワイナリー単独では規模の問題で輸出が難しく、共同輸出のスケールメリットに着目し、免税店に幅広い販路を持つ現地輸入業者と連携した。

 今回輸出したのは▽月山トラヤワイナリー(西川町)▽天童ワイン▽朝日町ワイン▽タケダワイナリー(上山市)▽酒井ワイナリー(南陽市)▽JA庄内たがわ月山ワイン山ぶどう研究所(鶴岡市)▽高畠ワイナリー―の7ワイナリー、16銘柄。各120本ずつの計約2千本を運び、今年1月から販売を始めた。

 マレーシアではワイン、ウイスキーを中心にアルコール需要が伸び続け、23年の消費額3千億円が25年には3500億円になると見込まれている。連携した輸入業者は免税エリアの販売シェアが9割に達し、今後の需要増加に対応するため日本ワインに目を付けたという。

 PRイベントは経済産業省の補助金を得て、現地のレストランで開かれた。バイヤーなどが招かれ、現地メディアでも取り上げられた。ワインを振る舞うと味への評価が高いことに加え、産地としての本県に興味を示す人が多かった。

 小島一晃取締役は「山形ワインのポテンシャルの高さを改めて実感した」と手応えを得た様子。「1社単独ではなく産地として挑戦したことが重要。ワイン産地として名前を売る良い機会で、今後も輸出を拡大したい」と意欲を語った。

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