完敗のアジアカップから何を学んだか。北朝鮮との連戦は森保監督自身がそれを示す試合にもなる【コラム】

2024年3月18日、北朝鮮との連戦(北中米ワールドカップのアジア2次予選)を戦う日本代表が練習初日を迎えた。外でトレーニングをしたのはGKの前川黛也と大迫敬介、DFの長友佑都と毎熊晟矢、MF/FWの田中碧、川村拓夢、久保建英と計7人で、室内で汗を流したのはDFの板倉滉、伊藤洋輝、橋岡大樹、MF/FWの浅野拓磨と前田大然の計5名だった。

北朝鮮とのホームゲーム(3月21日)まで中2日という状況下で招集メンバーが全員揃っていないのだから、新たな戦術の落とし込みなど当然ながら不可能。テストマッチではなくワールドカップ予選という点も踏まえると、そのホームゲームまでにできるのはこれまでの復習程度の確認作業か。

ヨーロッパでプレーする選手が増えた以上、合流が遅れるのは仕方ない。そこを言及しても意味がないのは承知しているが、全員で練習できる時間が限られているからこそ、アジアカップの期間中にチームをそこまで進化させられなかったのが今更ながら悔やまれる。

あれだけ長い期間、日本代表がチームとして行動する機会は滅多にない。代表強化に今回のアジアカップを有効活用できなかった点が本当に勿体なかったと、3月18日の代表練習を見ながら改めてそう思った。

果たして、北朝鮮との連戦で日本は連勝できるだろうか。勝てば全ての問題が解決するわけではないが、内容以上に結果を求められるのがワールドカップ予選。少なくともホームでの勝利はマストであると同時に、ファン・サポーターの信頼を取り戻すための戦いでもある北朝鮮戦で、森保一監督はどう振る舞うのかは気になる。

相手のロングボールに苦しみ、完敗の印象が強かったアジアカップから何を学んだか。北朝鮮との連戦は、それを森保監督自身が示す試合にもなるはずだ。イラク、イランに敗れたアジアカップの苦い経験があったからこそという展開にいずれなればいいが、さて、どうなるか。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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