個人情報1万5000人分漏えいの恐れ きっかけは「ウイルス感染」 メッセージ32万円分のギフトカード購入も=静岡・焼津市

静岡県焼津市は3月18日、深層水脱塩施設の利用者約15000人分の個人情報が漏えいした恐れがあると発表しました。

焼津市が漏えいの恐れがあると発表したのは、焼津市鰯ケ島の「焼津市駿河湾深層水脱塩施設」の利用者約15000人分の氏名・住所・電話番号などです。

焼津市はこの施設の運営を「静岡県水産加工業協同組合連合会」に委託していて、焼津市によりますと14日午後4時頃、委託先の60代の職員が事務所で施設利用者の個人情報が入ったパソコンを操作中、画面に「ウイルスに感染した」旨のメッセージが表示されたということです。

コンピューターウイルス感染を伝える表示には電話番号が記されていて、職員が電話をかけると、男性とみられる人物が対応し「ウイルスを解除するにはお金がかかる」などと説明。職員にアップルギフトカード8万円分を用意するよう伝えたということです。

職員は指示に従ってコンビニエンスストアでアップルギフトカードを購入し、電話先の人物の指示通りにカードのコードを当該パソコンに入力しましたが、元には戻らず、電話先の人物は職員に対して8万円分のアップルギフトカードを再び購入するよう求めたということです。

その後も同様のやりとりが繰り返され、職員は計32万円分のアップルギフトカードを自費で購入したということです。

15日に報告を受けた焼津市は当該のパソコンを回収し、市のDX推進課が調査した結果、当該のパソコンには他のパソコンから遠隔操作ができるようになるソフトがインストールされていることが分かり、焼津市は個人情報の漏えいの恐れがあると判断したということです。

焼津市によりますと、自費でアップルギフトカードを購入した委託先の職員は、警察に被害届を提出したということです。

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