星稜(石川)相手に大健闘 選抜高校野球で田辺(和歌山)、2度同点に

4回、スクイズを成功させる前田海翔選手(18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で)

 兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で18日に開かれた第96回選抜高校野球大会の1回戦で、21世紀枠で出場した和歌山県の田辺が星稜(石川)に2―4で敗れた。田辺は2度同点に追い付くなど粘り強く戦い、最後まで勝敗の行方が分からない展開だった。昨秋の明治神宮大会を制したチームに引けを取らなかった。

 田辺は先発投手の寺西邦右が力のある直球で星稜打線を抑えた。9回に連打を浴びて2点を勝ち越されたが、139球で完投した。

 田辺は1点を追う3回、先頭の7番尾﨑大晟が中前安打でチーム初安打を放つと、続く山根勇人が犠打を決め、2死二塁から1番岡本和樹が右前へ同点の適時打を放った。

 1―2の4回には、先頭の3番山本結翔が左中間へ二塁打を放ち、1死三塁から5番前田海翔がスクイズを決めて同点に追い付いた。

 2点を追う9回裏、先頭の4番山本陣世が大きな当たりを放ったが、フェンスぎりぎりで中堅手に好捕された。その後、前田が左前安打で出塁し、続く寺西が左翼へ二塁打を放って1死二、三塁と最後まで粘った。

 田辺は犠打をしっかりと決めて好機をつくり、守備や走塁でも光るなど甲子園の大舞台で堂々と戦った。試合後、田辺の田中格監督は「選手たちは十二分にやってくれた。日本一のチームを相手に互角に戦え、夏に向けてすごくプラスになった」と健闘をたたえた。

 山本結翔主将は「持てる力を出し切った」と振り返り、アルプススタンドからの大声援に「自分たちの力になった」と感謝した。

 寺西投手は「相手を意識せず直球でどんどん押そうと決めていた。もっと球数を少なくして抑え、夏は県大会を勝ち進んで甲子園に出たい」と力強く語った。

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