娘が「声優の専門学校に入る」と言っていますが不安です。実際、声優で収入を得られるまでにはどれだけの期間とお金がかかりますか?

声優になる方法

声優になるために特別な資格は不要ですが、声優の仕事をするうえで必要な知識やスキルを身につける必要があります。声優になる方法として最もスタンダードなのは、声優の専門学校に入学する方法です。

専門学校で基本的な知識やスキルを身につけた後、プロダクションや声優養成所に所属し、キャストオーディションに合格することで初めて声優デビューとなります。専門学校には入学せずに、いきなり声優養成所に所属することも可能です。

さらには、専門学校や声優養成所には通わずに、一般公募オーディションを受ける方法もあります。ただし、他の応募者は専門学校や声優養成所で専門的な知識・スキルを身につけているため、未経験でオーディションに合格するのは容易なことではありません。

声優で収入を得られるまでにかかる期間とお金

今回は、最もスタンダードな専門学校に入学して声優を目指す方法について解説します。進学情報サイト「スタディサプリ 進路」によると、声優専門学校の初年度納入金は81~100万円が1校、101~120万円が8校、121~140万円が17校、141~150万円が8校、151万円以上が8校となっています。

声優の専門学校は2年制が多く、初年度納入金は入学金や教材費が必要となるため若干高くなっています。これらのデータから2年間にかかる費用は、200~300万円前後が相場といえそうです。

専門学校卒業後に声優養成所に所属する場合は、10〜20万円ほどの入所金が必要となります。さらに、授業料として年間20万〜30万円ほどが一般的な相場となっています。

ただし、声優養成所に所属してもすぐに声優デビューできるわけではありません。デビューまでに数年かかる可能性もあり、その間の費用がかさむ可能性があります。

仮にデビューまで3年かかった場合は、入所金20万円+授業料30万円×3年間=110万円程度がかかる計算となります。専門学校の費用と合わせると300万円+110万円=410万円前後が必要です。専門学校や養成所までの交通費や、一人暮らしをする場合はもちろん生活費も必要となります。

声優の平均年収

努力が実って声優デビューできたとしても、声優として成功できるのは一握りだと言われています。声優の7割以上が年収300万円以下であり、年収1000万円以上はわずか5%で、20~30代の声優は約半数が年収100万円以下であるとの情報もあります。

国税庁の「民間給与実態統計調査 平成30年分」によると、20代後半の平均年収は370万円、30代前半の平均年収は410万円です。これらのデータから、声優の平均年収がいかに低いかということが分かります。

子ども本人とよく話し合って進路を決めよう

声優になるためには専門学校に入学するのが一般的で、2年間にかかる費用は200~300万円前後が相場となっています。専門学校卒業後に声優養成所に所属する場合は、入所金と年間20~30万円程度の授業料が必要です。

その後運よく声優デビューできても、7割以上が年収300万円以下と現実は厳しいと言わざるを得ません。とはいえ、わが子の夢を応援してあげたい人は多いでしょう。金銭的な問題も含め、子どもとよく話し合って進路を決めることをおすすめします。

出典

代々木アニメーション学院 声優になるには?必要なスキルや、仕事内容まで解説
スタディサプリ 進路 声優を目指せる専門学校一覧
国税庁 平成30年分 民間給与実態統計調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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