位置情報SNS「NauNau」個人情報騒動で親会社、子会社CEOに6億円の損害賠償を提起「重大な違反」も交渉に決裂か

位置情報を活用したモバイルゲームを手掛けるモバイルファクトリーは19日、同社の100%子会社であるSuishow株式会社の元株主で現代表取締役の片岡夏輝氏に対し、6億円の損害賠償を求める訴訟を起こしたことを発表した。訴訟は3月18日付けに東京地方裁判所に提起している。

【画像】モバイルファクトリー発表「訴訟提起に関するお知らせ」一部

モバイルファクトリーを巡っては昨年、位置情報共有SNS「NauNau」を運営するSuishow株式会社の株式を取得し完全子会社化を行っていた。しかし、NauNau(ナウナウ)は昨年10月に「少なくとも200万人以上のユーザーの位置情報やチャットなどが外部から閲覧可能な状態が生じていた」とする報道が行われたことでサービスを急遽停止する事態に発展。現在は第三者機関も交えた調査および対策が完了したとしているものの、現在もサービス再開には至っていない。

同事案は親会社の業績にも大きな影響を与えたとしており、直近の通期業績ではのれんの減損損失を計上、全社営業利益は「0円」に着地。今回の提起内容によると、Suishowの片岡氏は子会社化における株式譲渡契約において「Suishowに関する事項が真実かつ正確であることを表明保証していたが、2024年1月30日に、表明保証に重大な違反があったとモバイルファクトリーが認識した」と経緯を説明。

以降もモバイルファクトリーは片岡氏に対して支払った約3.9億円の譲渡対価の返金を求め、交渉を続けてきたものの、「度重なる交渉・協議においても進展がなく、片岡氏の交渉・協議に臨む姿勢を踏まえ ると、任意の交渉の継続による解決は困難」であるとした上で、やむを得ずの訴訟提起に至った。

なお、本訴訟に伴う2024年12月期の連結業績に与える影響については現在精査中で、「公表すべき事項が生じた際には、速やかにお知らせいたします」としている。

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