「仕事ぶりは相変わらず執念深い」敗退したマンUとのFA杯準々決勝における遠藤航の評価は二分!「最近の連戦が彼のプレーに影響を与えた」

現地時間3月17日に行なわれたFAカップ準々決勝で、リバプールはマンチェスター・ユナイテッドに延長戦の末に3-4で敗れた。

カラバオ・カップに続くタイトル獲得を狙う「レッズ」は、ホームのマンUに先制を許すも、アレクシス・マク・アリステルの強烈な一撃とモハメド・サラーの抜け目のないシュートで逆転。しかし、終了間際に追いつかれて延長戦に突入すると、ハーベイ・エリオットが勝ち越し弾を決めたが、112分に同点弾を許し、さらに延長後半のアディショナルタイムにカウンターから失点を喫して力尽きた。

遠藤航は先発出場を果たし、アンカーとして120分間プレー。データ専門サイト『WhoScored.com』によれば、ボールタッチ108回(両チーム3番目)、パス90本(成功81本)、空中戦2回(勝利1回)、タックル8回(成功4回)、クリア1回、インターセプト1回、ドリブルを許した回数4回、ファウル2回というスタッツを記録している。また、味方のオフサイドでゴールが無効となった2つの場面で見せた、ボール奪取からの冷静なシュートや的確なパスは非常に印象的だった。
大きな影響力を誇った時間帯がある一方で、延長戦ではさすがの“鉄人”にも疲労の色が見られた。そんな中でチームが逆転を許したこともあってか、現地メディアでは厳しい評価を下すところもあり、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は10点満点の採点で、両チーム最低タイとなる「5」を与えている。

日刊紙『Daily Mail』の採点は及第点以上の「6.5」(チーム2番目タイ)で、寸評も「試合中はあまり目立たないが、リバプールが中盤で相手チームを封じ込める上で重要な存在である。彼は粘り強い仕事を多くこなし、前にいる選手たちが輝けるよう努めた」とポジティブな内容となった。

『INDEPENDENT』紙は、「この日本代表選手は時折、マンUが中盤で欠いているものを示した。特にリバプールが主導権を握った後半はそれが顕著であり、マンUは抑えられ、ほとんど抵抗することなく敗北に向かっているように見えたが、その後には劇的な逆転劇が待っていた。試合が息の詰まるような、目まぐるしく攻守が入れ替わる状況になると、遠藤もその狂乱に巻き込まれた」と彼のプレーを振り返り、採点は「6」とした。 さらに上の「7」という高採点を付与したのは『The Telegraph』で、「遠藤はユルゲン・クロップ政権時において、最も賢明な補強のひとつであることを証明した。マンUが前半に攻勢に立った際には押されたものの、彼は自分のポジションを守り抜いた」とポジティブに評している。

『DAILY STAR』紙も同じく「7」としたが、対してサッカー専門サイト『90min』の採点は「5」止まりで、「オフサイドのフラッグが上がる前に、ゴールネットを揺らした。この試合では、守備的MFが活躍することはなかった」と厳しく総括した。

リバプールの地元メディアでは、総合サイト『Liverpool World』が「6」の及第点を与え、「前半はいつもほど攻撃を阻止できなかったが、徐々に試合に慣れていった。取り消されたゴールは綺麗だった。後半と延長戦ではボールをシンプルに扱ったが、アントニーにシュートスペースを与えすぎ、そしてエリオットとの連係ミスでマンUにカウンターを許し、決勝ゴールを決められた。最近の連戦が、彼のプレーに影響を与えたようだ」と綴っている。
続いて日刊紙『ECHO』も「6」で、「前半はあまりにも多く置き去りにされたが、ポゼッションにおいては十分に機能していた。後半は事態に上手く対処するようになったものの、延長戦に入ると急激に疲れが見られるようになった」と、日本人選手の120分間を総括した。

最後に、リバプールのクラブ専門サイト『THIS IS ANFIELD』は「遠藤は再び中盤をリードし、チームメイトの多くと同様に、試合の経過とともにより良いプレーを披露。その仕事ぶりは相変わらず執念深く、オフサイドで取り消されたものの、自身のシュートでゴールネットを揺らした。延長戦でレッズが主導権を失うとともに、疲れが見え始めた」と綴るも、採点は「7」と高評価を下している。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社