フリーターで「実家暮らしの20代息子」が家にまったくお金を入れません…このままでいいのでしょうか?

一般の20代若者はどれくらい稼いでいる? 実家暮らしをしている人は家にいくら入れている?

国税庁長官官房企画課の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、20代前半および20代後半の平均給与は以下の通りです。

__・20~24歳 273万円
・25~29歳 389万円__

社会に出て、ある程度稼げるようになると、実家暮らしの場合は家にお金を入れることを考えるでしょう。

保険マンモス株式会社が行った「実家暮らしの方へのアンケート(自社調べ)」では、20~30歳で実家に入れるお金の平均額は月3万3623円であることが分かりました。最低額は5000円、最高額は15万円と、実家に入れるお金の金額に差はありますが、20代でも収入に応じて一定の金額を取り分けているようです。

しかし、20~30歳の36%は「お金を入れていない」と回答しています。

実家暮らしをしている理由で最も多かったのは「お金に余裕がないから」で、それが原因でお金を入れていないことも考えられます。長引く不況で平均給与がなかなか上がらない日本では、一人暮らしができないだけでなく、実家暮らしでも家にお金を入れる余裕がない若者がいるのかもしれません。

実家暮らしでまったく家にお金を入れない息子……。このままでいいの?

同調査では、実家を出て一人暮らしをするメリットとして「一人暮らしで生きる力が身につく」ことを挙げています。

一人暮らしをすることで、生きていくために必要な金額が分かったり、収入の範囲でやりくりする力が身についたりします。実家暮らしの場合は、つい親に甘えてしまって、生活力がつかない可能性があるでしょう。

実家暮らしでも、生活費として家にお金を入れて責任を果たす若者もいますが、そうでない場合は将来が心配になるかもしれません。家に入れるお金の平均額は3万3623円でしたが、5000円の人もいたことから、収入に応じて無理のない金額を入れるよう促してみるのもいいかもしれません。

収入の少ないフリーターや無職の場合は国のサポートを活用するのもあり

なかには、収入が極端に少ない、またはニートの若者もいます。この場合は、国のサポートを活用して正規雇用を目指す方法があります。

例えば「地域若者サポートステーション」に相談できるかもしれません。これは厚生労働省委託の支援機関で、働くことに悩みを抱えている15~49歳までを対象に、職場定着までを全面的にバックアップしてくれます。

「人間関係でつまづいた」「コミュニケーションが苦手」といった若者でも、個別に相談したうえで「コミュニケーション講座」「ジョブトレ(就業体験)」など各種支援により働く力を身につけられます。

実家暮らしでお金を入れない若者は36%! 収入に応じた金額設定や国のサポートで正規雇用を目指すのもあり

実家暮らしをしている20~30歳の若者の36%は、家にお金を入れていないことが分かりました。こうした状況が進むと、一人で生きていく生活力が身につかないと心配する親御さんもいらっしゃるでしょう。

家に入れるお金の平均額は3万3623円でしたが、5000円の人もいたことから、収入に応じた無理のない金額設定をしてみるのもおすすめです。収入が極端に少ないフリーターや無職の場合は、地域若者サポートステーションのような、国の支援機関を活用することで子どもの将来に備えられるので、検討してみるのも方法の一つです。

出典

国税庁長官官房企画課 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-(21ページ)
保険マンモス株式会社 実家暮らしの方へのアンケート(自社調べ)
厚生労働省 地域若者サポートステーション サポステとは

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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